第86回  紅葉の名所～三千院・実相院・光明寺～

解説：中田 昭（写真家）

「京文化」をテーマに、風景・庭園などの撮影を続ける写真家の中田昭さん。今回は中田さんとっておきの紅葉の名所を巡る。
まずは大原・三千院へ。境内には「聚碧園」と「有清園」、趣の異なる2つの庭園が広がり、撮影ポイントが数多く点在する。あわせて作家・井上靖が「東洋の宝石箱」と称したお堂も紹介。
続いて岩倉の門跡寺院・実相院へ。新緑の季節は「床みどり」、雪の季節は「雪化床」と季節によって美しさが変わり、訪れる人の目を楽しませてくれるが、特に紅葉の季節の「床もみじ」は有名。磨き抜かれた漆黒の床板に外の楓の木々が映り込む様子は、静寂の中にも鮮やかな美しさを感じさせる。
最後に訪れるのは長岡京市にある光明寺。法然上人ゆかりの寺で、古くから「もみじ寺」と呼ばれてきた紅葉の名所。「もみじ参道」は、紅葉のトンネルと紅く染まった石畳、天地左右どこを見ても色鮮やかな色彩で埋め尽くされ、錦秋の美しさを楽しめる絶好のロケーションとして知られている。
京の紅葉を知り尽くした写真家ならではの視点で、紅葉の魅力を紹介する。