第89回  美しい仏像に出逢う~泉涌寺と塔頭寺院~

解説:小嶋一郎(仏像ソムリエ)

古くから皇室の菩提所とされたことから「御寺」とも呼ばれる泉涌寺。今回は、泉涌寺とその塔頭寺院に伝わる美しい仏像を紹介する。
最初に訪ねるのは、東山区にある泉涌寺・本坊にある仏殿。まばゆい輝きに満ち溢れる「三世仏」と呼ばれる仏像が、訪れる者を圧倒する。神々しい三世仏が表しているものとは?
そして大門近くの楊貴妃観音堂では、美しき観音菩薩像が良縁祈願や美人祈願を願う女性たちの篤い信仰を集めている。約800年前の仏像が今でも美しいワケとは?
次に向かうのは、泉涌寺の塔頭寺院の一つ、即成院。この世で極楽を味わえる場所とも言える本堂では、様々な楽器を手にする二十五菩薩像が圧倒的な存在感を放つ。「現世極楽浄土」とはどんなものなのか?
他にも、戒光寺の「身代わりの丈六さん」や悲田院の「逆手の阿弥陀如来立像」、雲龍院の「走り大黒天」など個性的な仏像を仏像ソムリエの案内でめぐる。

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