5月2日~5月6日

5月2日(月)
「ウクライナ戦争の潮目を変える!?西側の軍事援助拡大」

ゲスト:名越 健郎(拓殖大学特任教授 / 元時事通信モスクワ支局長)、小原 凡司(笹川平和財団上席研究員)

ロシア軍によるウクライナ侵攻から2か月余りがたった。
緒戦で首都キーウ攻略に失敗したロシア軍は、攻撃目標を東部に集中する作戦に切り替えた。プーチン露大統領は第二次世界大戦の対独戦勝記念日(5月9日)で、東部制圧の勝利宣言をする野望を抱いており、ロシア軍は大攻勢をかけている。
一方、NATO(北大西洋条約機構)など西側諸国は「ロシアへの過度の刺激を避ける」との判断から、ウクライナへの軍事援助拡大を控えて来た。だが、ロシア軍によるウクライナの一般国民大量虐殺や頻発する凌辱を受け、戦車や戦闘機の提供を行うなど、軍事援助の拡大へと舵を切り始めた。
軍事援助拡大でウクライナ戦争の潮目は変わるのか?専門家が戦局の行方を探る。


5月3日(火)
「検証!ロシア軍は精強なのか?プーチンが欲する『戦果』とは?」

ゲスト:河野 克俊(前統合幕僚長)、湯浅 剛(上智大学外国語学部教授 ロシア語学科長)

ロシアのプーチン大統領は当初、ウクライナの首都・キーウを包囲→陥落させる青写真を描いていた。ところが、ウクライナの軍・民挙げての命がけの抗戦は想像をはるかに超え、ロシア軍は撤退に追い込まれた。
プチーン大統領は首都決戦を避ける代わりに、決戦の舞台を東部に移すことを決断。集結したロシア軍に大攻勢をかけさせている。もっとも、ロシア軍は長引く戦闘で兵力や兵器の損耗が激しく、士気低下も手伝い、弱体化しているとの分析もある。実態はいかに?
さらに、ロシアとしては5月9日の対独戦勝記念日を目前に控え、東部制圧という"戦果"を獲得したいところだが、プーチン大統領は東部制圧で満足するのか?プーチン大統領の考える「戦果」とは?
「プーチンのプーチンのためのウクライナ戦争」を解剖し、勝敗の分水嶺となる東部戦線の戦局を占う。


5月4日(水)
「西側による対露制裁のカラクリ 得をするのは米中!?」

ゲスト:瀬口 清之(キヤノングローバル戦略研究所研究主幹)、ピーター・ランダース(ウォール・ストリート・ジャーナル東京支局長)

ロシアのウクライナ侵略から2か月余りとなるが、プーチン露大統領の暴走は止まらない。 暴走を阻止するには、ロシア経済に打撃を与える"兵糧攻め"が不可欠だ。実際、西側諸国の対露経済制裁によって、ロシアは5月4日にドル建て国債の利払い猶予期限を迎え、正式に「デフォルト=債務不履行」に陥る可能性が高い。
ところが、デフォルトの危機など眼中にないかのように、ロシア政府は巨額の戦費を投下し続けており、ロシア軍による侵攻は継続している。その裏には、ロシアのエネルギーに依存する一部西側諸国への輸出によって、外貨を獲得しているカラクリがある。皮肉にも、ウクライナへ武器を供給している西側当事国が、対露経済制裁の「抜け穴」に。西側諸国の制裁はどこまでロシア財政にダメージを与えているのだろうか?
一方で、西側諸国の対露制裁によって、二大経済大国である米国と中国が得をするとの分析も。例えば...戦争が長引くほど米国のLNG(液化天然ガス)事業者が利益を得ると指摘され、ロシア産の代替として今年末までに2割の輸出量増加が見込まれている。中国も、極東ロシアの石油・天然ガス開発事業「サハリン2」からの撤退を表明した英国の石油大手・シェルと権益売却に向けた交渉を始めており、虎視眈々と漁夫の利を得ようと目論む。
「エネルギー覇権戦争」ともいわれるウクライナ戦争の裏でひしめく各国の、経済的思惑について考える。


5月5日(木)
「5.9に"勝利宣言"できるのか!?プーチンの思惑を探る」

ゲスト:高橋 杉雄(防衛研究所 防衛政策研究室長)、岩下 明裕(北海道大学スラブ・ユーラシア研究センター教授 ※リモート出演)

ロシアでは5月9日、旧ソ連が第2次世界大戦で、ナチス・ドイツに勝利した戦勝記念日を迎える。
戦勝記念日と深く関係するのが、ウクライナに侵攻するロシア軍が、戦車などに描いているナゾの文字「Z」。Zには戦勝記念日への重要な意図が込められているのだが、説明が必要だ。
7を2つ、1つを逆さまにして重ねた結果、生み出された文字がZ。即ち、Zは「77回目」の戦勝記念日を強調するシンボルなのだ。言い換えれば、9日の戦勝記念日は「ウクライナを非ナチス化すべく戦っているロシア」を宣伝する、重大な日に位置付けられている。プーチン露大統領が戦勝記念日の9日に「"勝利宣言"するのではないか」との分析は、このZから導かれている。
ウクライナ東部・南部での戦闘は激烈の度を増しているが、戦勝記念日を境に戦局は激変するのか?プーチン露大統領の次なる思惑とは?
先が見えないウクライナ戦争の近未来を考える。


5月6日(金)
「野田聖子大臣に聞く!こども真ん中社会の実現へ」

ゲスト:野田聖子(こども政策担当大臣)

毎月第1・第3金曜日は、ジャーナリストの岸田雪子が、月曜~木曜日で扱う政治・経済・国際問題や安全保障といった硬派なテーマにとどまらず、子育て・教育・カルチャー・スポーツなど、身近なテーマを生活者目線で取り上げ、分かりやすくかつ 週末を迎える視聴者がホッと一息つけるような、明るい未来志向のスタンスでお送りしていきます。
来年4月の発足を目指し国会審議入りした「こども家庭庁」。児童虐待やいじめなど、事案ごとに省庁が分かれ別個に対応がとられて来たこどもに関わる様々な問題に横ぐしを入れ一元的に管理する、いわばこども政策の司令塔である。岸田内閣でこども政策や少子化対策を担当する野田聖子大臣は、「こどもを真ん中に据える社会と政策」の必要性と司令塔組織の新設を訴えてきた議員の一人。ようやく実現する「こども家庭庁」とはどんな組織なのか?児童虐待やいじめ問題にどのように楔を打っていくのか?少子化対策へのカギ、女性活躍社会の実現には何が必要か?多岐に渡るこども関連の課題や現状について野田聖子大臣に伺う。