5月30日~6月3日

5月30日(月)
「ウクライナ侵攻で激変! 国際秩序に与えた衝撃とは」

ゲスト:半田 滋(防衛ジャーナリスト / 元東京新聞論説兼編集委員)、廣瀬 陽子(慶応義塾大学総合政策学部教授)

ロシアのウクライナ侵攻は、国際社会の平和と秩序を根底から揺るがし、大きな亀裂をもたらそうとしている。国連総会のロシア非難決議では中国だけでなくインド、中東諸国も棄権した。
一方、欧州では中立を貫いてきたロシアの隣国フィンランドとスウェーデンがNATO加盟を申請。安全保障の枠組みが大きく変わろうとしている。
さらに、東アジアでは、中国の「台湾武力統一」のリスクや北朝鮮の核保有への影響が懸念され、"核保有国"に周囲を囲まれた日本は厳しい対応を迫られている。
ロシアが「核恫喝」をする中で、世界各国の核武装に対する考え方も変わろうとしているのか。「力による現状変更」を目の当たりにして、果たして「外交交渉による平和構築」は、無力なのだろうか?ウクライナ侵攻がもたらした「国際安保情勢の地殻変動」を読み解き、今後の日本の対応を考える。


5月31日(火)
「プーチン誤算の長期戦 外交攻勢の思惑は?」

ゲスト:森本 敏(拓殖大学顧問 / 元防衛相)、湯浅 剛(上智大学外国語学部教授ロシア語学科長)

ウクライナ東部で攻勢を強めるロシア軍。侵攻開始から3カ月を超える中、プーチン大統領は、西側が指摘する"ロシア軍の弱体化"を打ち消すかのように東部掌握を目指す。こう着状態を打開する狙いが伺える。
一方、ウクライナは米欧の兵器が次々と前線に届く見込みで、まもなく"反転攻勢"に転じるとの分析もある。果たして今後の展開は?ロシア軍の兵員や装備品の不足が噂される中で、精力的に外交を仕掛けるプーチン大統領の次の狙いとは?
今後のウクライナ情勢の命運を握る、東部攻防戦とプーチン大統領の外交攻勢の思惑を読み解く。


6月1日(水)
「上海の都市封鎖解除! ゼロコロナ戦略の功罪」

ゲスト:柯 隆(東京財団政策研究所 主席研究員)、江藤 名保子(学習院大学 法学部教授)

中国上海市の新型コロナ対策によるロックダウン(都市封鎖)から約2カ月。新規感染者数は連日2万人を超えていたピーク時から100人を下回る数まで大幅に減少。上海市当局は6月1日午前0時から大部分の住民の外出を認め、地下鉄やバスなど公共交通機関の運行もほぼ再開させると発表。事実上の封鎖解除へと踏み切る。
世界最大のコンテナ輸送量を誇る、国際貿易港・上海市での長期に及ぶロックダウン(都市封鎖)は、中国経済だけでなく、日本経済にも波及。例えば、トヨタ自動車は、6月6日から4日間、国内10工場の生産ラインの稼働停止を発表し、大きな影を落としている。
これまで、習近平指導部は、新型コロナの感染を徹底的に抑え込む「ゼロコロナ政策」を堅持してきたが、今後は...?中国「ゼロコロナ政策」の功罪と日本のリスクについて考える。


6月2日(木)
「プーチン大統領の内憂外患 後継者・重病説の真相」

ゲスト:名越 健郎(拓殖大学海外事情研究所教授)、畔蒜 泰助(笹川平和財団主任研究員)

ロシアによるウクライナ侵攻が始まって3カ月余り。ウクライナは、西側諸国の援助を受けて反転攻勢の構えを見せ、戦闘は長期化の様相だ。
プーチン大統領は依然、高い支持率を得ているものの、国内外から批判する声が出始めた。外交官が抗議の辞任。同盟国のCSTO(集団安全保障条約機構)の首脳会合では、ウクライナ情勢には触れずじまい...。国際社会での孤立化が進み、ロシア外交は機能不全!?そんな内憂外患状態のプーチン大統領。
厭戦気分も漂う中、プーチン体制は揺らいでいるのか?健康不安説も指摘されるプーチン氏が、今何を考えているのか検証する。


6月3日(金)
「日本の農業再生 カギはコメの総合戦略」

ゲスト:青山 浩子(農業ジャーナリスト / 新潟食料農業大学 准教授)

毎月第1・第3金曜日は、ジャーナリストの岸田雪子が、月曜~木曜日で扱う政治・経済・国際問題や安全保障といった硬派なテーマにとどまらず、子育て・教育・カルチャー・スポーツなど、身近なテーマを生活者目線で取り上げ、分かりやすくかつ 週末を迎える視聴者がホッと一息つけるような、明るい未来志向のスタンスでお送りしていきます。
かつては農業大国と呼ばれていた日本。しかし、日本人の高齢化や食文化の変化、年々規模が大きくなる自然災害の影響などで農業離れは進み、担い手不足は深刻に...。企業参入による農業のDX化や日本食需要による輸出増などが僅かな光明と言えるが、農業全体の底上げには更なる抜本改革とイノベーションが必要だ。焦点となるのは日本国内の耕地面積の半分以上を占める「お米」。主食用・飼料用の生産バランスや価格競争力を高めての輸出の拡大など、「コメの総合戦略」の必要性について農業ジャーナリスト・青山浩子氏に話を聞く。