第10回 京町家 夏のしつらい
しつらいとは「室礼」とも書き、平安時代、宴・移転・女御入内などの晴れの日に、寝殿の母屋や庇 に調度類を配置して室内の装飾としたことが起源とされます。京都の歴史的景観のひとつ、京町家では今も毎年6月1日に、障子や襖などの建具から葦戸(よしど)や簾(すだれ)、網代などに変更する"建具替え"が行われ、家全体が「夏のしつらい」へと様変わりします。
今回は祇園祭の山鉾町に暮らす小島家を訪ねた常盤貴子さんが主の小島富佐江さんにインタビュー。少し不便を感じながらも、四季の移ろいと共に、豊かな感受性に満ちた生活の知恵が溢れた京町家での暮らしについてお聞きします。また和の暮らしを支える匠の技も見学。簾の名店を訪れ、蒸し暑い京都の夏を快適に過ごす工夫を教えていただきます。さらに伝統的な京町家を現代的に活用されている例として、京扇子の老舗を受け継ぐ若女将からお話をうかがったり、初夏の代表的なグルメ、鮎料理を仕出し料理の名店で堪能します。
恒例の常盤さんお薦めのカフェコーナー、今回は寺町通へ。大正ロマンを感じさせるレトロな店構えと、中庭をのぞむ和モダンなカフェで至福のひと時を過ごします。
【出演】
小島 富佐江
岩見 光一(岩見工務店)
久保田 晴司(久保田美簾堂)
久保田 真司(久保田美簾堂)
髙橋 拓児(木乃婦 三代目当主)
村上 彰一(村上開新堂 代表取締役)
大西 里枝(大西常商店)
【協力】
小島家、京町家再生研究会、京都市都市計画局 まち再生・創造推進室、川北家、久保田美簾堂、木乃婦、村上開新堂、大西常商店、もみじの小路、岩見工務店、若宮八幡宮社、長江家住宅、片山家能楽・京舞保存財団、箔屋野口