第106回  世界遺産・二条城~徳川将軍家の威光を示した歴史的大事業~

今回は、歴史の移り変わりを見守ってきた世界遺産・二条城の魅力を紐解く。
二条城は、豊臣秀吉に代わる天下人として朝廷及び諸国の大名に威光を示すため、聚楽第を凌駕する絢爛たる城郭をめざして徳川家康によって築城された。1603年、完成した国宝・二の丸御殿で、徳川家康の征夷大将軍宣下の賀儀が開催され、徳川幕府400年の歴史がはじまった。その後、三代将軍家光と大御所となった秀忠により城の大改修が行われ、現在見られる狩野派一門による絢爛豪華な障壁画が制作された。どうやって約1年で1万点近い障壁画を制作出来たのか、その謎に迫る。
また二条城は、天皇の住む京都御所の守護と将軍の宿泊所という役割もあるため、城塞としての機能も兼ね備えており、城内をめぐると鉄板や饅頭金具などで補強されている堅牢な門や、敵を上から攻撃するための「石落とし」など戦闘的な面が垣間見られる。
徳川家の栄枯盛衰に思いを馳せ、世界遺産の新たな魅力を発見する。

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