第110回  歌で巡る京の秋景色~渡月橋・二尊院・東福寺・清閑寺~

今回は、京都在住の写真家・橋本健次さんと古の歌人たちが歌に詠んだ紅葉の名所をめぐる。
最初に訪れるのは、京都屈指の紅葉スポットである嵐山の渡月橋。上流の大堰川は、古くから貴族や皇族が船遊びを楽しんだ場所として知られており、その時に詠まれた紅葉の歌が数多く残されている。風雅な船遊びがきっかけで生まれた言葉、「三船の才」とは?
続いて訪れるのは、小倉百人一首ゆかりの地として知られる二尊院。境内には見事な紅葉が点在し、特に「紅葉の馬場」と呼ばれる100メートル近い紅葉の参道が美しく、人気の撮影スポットとなっている。
次に訪れるのは、春より秋を選んだ寺と言われる東福寺。通天橋から見下ろす紅葉の美しさは、全国的にも有名で毎年多くの観光客で賑わう。
最後に訪ねるのは、東山区にある高倉天皇の側室・小督局が晩年を過ごした清閑寺。平家物語の中にも描かれた高倉天皇と小督局の悲恋は、多くの人の同情をそそり謡曲「小督」にもなった。紅葉が好きだったと伝わる小督を供養するため、境内一体には紅葉が植えられ今では人気スポットとなっている。
歌に残された歴史や風景に思いを馳せ、秋の京都を案内する。

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