第112回  師走の京の風物詩をめぐる~鈴虫寺・知恩院・萬福寺~

今回は、伝統の行事から最新の催しまで師走の京都を彩る風物詩を紹介する。
まず最初に訪れるのは、鈴虫寺と呼ばれ親しまれている西京区の華厳寺。山門を入ると出迎えてくれるのが、どんな願い事でも一つだけ必ず叶えてくれるという幸福地蔵菩薩。毎年12月24日に行われる「納めの地蔵」には、お願いごとやお礼参りに来る多くの参拝客で賑わう。また若い女性を中心に人気を博している鈴虫説法の魅力にも迫る。
次に訪れるのは、東山区にある浄土宗総本山知恩院。勇壮な三門をくぐって視界に入ってくるのは、法然上人の御影を祀る国宝・御影堂。毎年12月25日には法然上人の尊像を羽二重の布でぬぐい、一年の汚れを清める「御身拭式」が行われる。また2023年1月20日から特別公開される方丈の襖絵も見どころ。金碧障壁画が揃うのは実に16年ぶり。
最後に訪れるのは、宇治市にある黄檗宗大本山萬福寺。仏像の様式、建物すべてが中国風で、師走の恒例行事である「大般若六百巻転読法要」で唱えるお経も中国風。他の禅宗寺院では見られない独特の空間で、年末年始を挟んで行われるランタンフェスティバルとは?
ゆく年を振り返り、くる年を心穏やかに迎えるための行事や催し案内する。

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