第118回 大徳寺の塔頭寺院を巡る~興臨院・総見院・黄梅院~
京都・紫野の大徳寺は、「一休さん」こと一休宗純や沢庵宗彭といった名僧を輩出してきた臨済宗大徳寺派の大本山。今回は、2023年の春に特別公開が行われる大徳寺の塔頭寺院をめぐる。
まず最初に訪ねるのは、室町時代に能登の大名・畠山義総が創建した興臨院。古田織部好みの茶室「涵虚亭」や村石米齋氏の筆による襖絵が見どころ。
次に訪ねるのは、織田信長の菩提を弔うために建立された総見院。等身大の信長像は、本人に最も近い像と言われており、眼光鋭く厳しい佇まいはさもありなんと思わせるもの。境内には、信長や信長の息子たちの供養塔もあり、信長ファンにはぜひとも足を運んで欲しい場所の一つ。
最後に訪ねるのは、毛利家の菩提寺である黄梅院。長谷川等伯や狩野永徳と並ぶ桃山時代の絵師、雲谷等顔の手による本堂の襖絵44面は圧巻。また千利休作庭と伝わる庭園「直中庭」は、「苔の枯山水」と称されるもので、いつまでも眺めたくなるほど趣きがある。
大徳寺の塔頭寺院で、茶の湯の文化に親しんだ戦国武将の面影を偲ぶ。