第1話  金針の因縁

huukikasho_01.jpg 唐の貞観11年、宮中では楊妃が新皇后に封ぜられるという噂が流れていた。これまで楊妃を軽んじてきた林尚服は尚服局への風当たりが強くなることを恐れて頭を痛めている。卓錦娘は林尚服に、皇后の冊封の儀の際に着用する褘衣を贈って楊妃に取り入れば過去の無礼も帳消しになると進言するが、楊妃の歓心を買えるほどの褘衣を作れる者は今の尚服局にはいない。卓錦娘は林尚服に命じられ、師匠であり刺繍の達人である安氏の元を訪れるが...。