第3話  欲望の成就

huukikasho_03.jpg 安氏は娘の琉璃を孫徳成に託し、娘や徳成らを守るため自分は自害した。琉璃は豆子と名を変えて素性や性別を隠し、宮中の不禄院で徳成の弟子として暮らす。防疫のため骸の消毒をする医官として働く豆子は、母の死の事情を知らず、母譲りの刺繍と裁縫の腕前を見せては徳成に注意される日々だ。ある日、豆子が落とした安氏の形見の巾着を尚服局の鄧七娘が拾う。卓錦娘は弟子の七娘が美しい巾着を持っているのを見ると、出どころを追及し始め...。