第121回  150年ぶりに復活!曼殊院門跡 宸殿の輝き

今回は、150年ぶりに宸殿再建の悲願を果たした曼殊院門跡の復興秘話を紐解く。
天台宗五箇室門跡の一つである曼殊院門跡は、最澄が比叡山に創建したお堂から始まった寺で、江戸時代に良尚法親王により現在の地に移された。桂離宮を造った八条宮智仁親王を父に持つ良尚法親王は、父の高い美意識を受け継ぎ曼殊院を建立したため、境内の建築物は桂離宮の影響を随所に受けている。数寄屋風書院作りの大書院や富士山デザインの七宝焼きが美しい釘隠しなどが見どころ。
雅な雰囲気を堪能した後は、150年ぶりに再建された宸殿へと向かう。再建のきっかけから資金集めのために行った全国行脚など、悲願を実現させた復興秘話を紹介する。
さらに、再建を記念して特別公開が行われる国宝黄不動明王像にも触れ、修復時に発見された「御衣絹加持」の謎を解く。
また、令和2年9月に550年ぶりに再興された「北野御霊会」を紹介し、曼殊院門跡と北野天満宮の関係について迫る。新緑の季節に真新しい宸殿が輝く曼殊院門跡を案内する。

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