第123回  禅寺に伝わる女性と仏教の物語~相国寺・眞如寺・金閣寺・銀閣寺~

今回は、相国寺とその山外塔頭寺院に伝わる歴史秘話を紐解き、禅寺に伝わる女性と仏教の物語を紹介する。
まず最初に訪れるのは、室町幕府3代将軍・足利義満が禅の修行に励むために建てた相国寺。相国寺は、金閣寺と銀閣寺などを塔頭に持つ室町文化の中心を担った寺院で、その歴史は波乱に富む。境内にある承天閣美術館では、火事や戦乱をくぐり抜け奇跡的に残った寺宝を定期的に展示している。現在は、臨済宗の尼僧・無外如大の生誕800年を記念して「女性と仏教」をテーマとした展示が行われている(展示は2023年7月まで)。
男性修行僧の邪魔にならないよう、自らの美しい顔を熱した鉄棒で焼いたという逸話を持つ無外如大とはどんな人物だったのか。無外如大を勧請開基と仰ぐ眞如寺に向かい、時代を超えて信仰心を持つ女性たちの心のよりどころとなったカリスマ尼僧の実像に迫る。
さらに鹿苑寺(金閣寺)と慈照寺(銀閣寺)にも足を延ばし、寺に伝わる尼僧たちの名品を紹介する。鎌倉時代の無外如大尼から近代に至るまで、仏の心に接する術を探り続けた女性たちの志に触れる。

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