第26話  

tenryuhachibu_26.jpg "頭(かしら)"の名前を教えてほしいなら、自分を見つめ、抱きしめて口づけを――康敏(こう・びん)は蕭峯(しょう・ほう)に、そう迫った。そこへ飛び込んできた阿紫(あし)は、康敏を"醜女"と罵り、鏡を突きつける。無残に斬り刻まれた己の顔を見せつけられ、絶叫した康敏は、悲嘆と絶望のあまり、そのまま息を引き取ったのだった。ついに"頭"につながる最後の糸も切れてしまった。仇討ちの望みを絶たれた蕭峯は、失意のうちに阿朱(あしゅ)と約束のした塞外へ向かうことに...。