第28話  

tenryuhachibu_28.jpg 「まさに100年に1人の逸材だ」――耶律洪基(やりつ・こうき)は、あっさりと自分を解放して去ってゆく蕭峯(しょう・ほう)の後ろ姿を、感嘆の思いで眺めていた。そして、あの傑物をぜひ配下に加えたいと念じるのだった。同じ頃、段誉(だん・よ)は、義兄弟の契りを結んだ喬峯(きょう・ほう)を思い出しながら酒を飲んでいた。人恋しさから、偶然通りかかった僧に声をかける段誉。その僧とは虚竹(こちく)であった。語り合ううちに2人はすっかり意気投合し...。