第33話  

tenryuhachibu_33.jpg 謎の声に導かれ、虚竹(こちく)がたどり着いた先は、山の頂であった。そこには真っ白な髪と髭を長く伸ばし、端然と座る老人の姿が。逍遙派の掌門・無崖子(むがいし)である。謙虚だが正直で気骨のある虚竹の人柄を見抜いた無崖子は、彼の"すべて"を譲り渡す決意を固める。"すべて"とは、無崖子が70年かけて学び、身につけた功力(くりき)のことだ。有無を言わさず虚竹を後継者にしてしまった無崖子。戸惑う虚竹に対し、彼はある者を殺してほしいと言い残し...。