第1話  寡婦(かふ)になった花嫁

sakuroma_01.jpg 秋嫣は婚礼の日を迎えていた。花婿の顔は見たこともないが、両親の言いつけどおり嫁ぐつもりだ。しかし婚礼の席で、突然、花婿が吐血して倒れ、帰らぬ人となった。秋嫣の両親は娘を実家へ連れ帰ろうとするが、花婿の父・賀永忠はそれを許さない。実は、婚礼の前に行った占いで、秋家側に偽りがあったのだ。「息子の死は、秋嫣の凶運が原因だ」と主張する賀永忠は、秋嫣に殉死することを要求する。驚いた秋嫣は、自分の生きる道を求めて...