第1話  東宮の郎君

choukakou_01.jpg 時は唐代初期。都の長安には北西の草原の阿詩勒部より特勤の阿詩勒隼が配下を連れ、偵察に潜入していた。そんな折、阿詩勒隼は長安の街中で仮面をかぶった1人の郎君と遭遇する。その正体は皇太子の娘、李長歌だった。李長歌は皇子たちもしのぐ聡明さと武術の腕を備えており、頻繁に男装して出歩いていた。母親の瑾夫人から数日は外出しないよう命じられた長歌だったが、阿詩勒部の使者との蹴鞠試合があると聞き、従妹で李世民の娘の楽嫣と共に会場へと向かう。