第133回  紅葉の名所東福寺と塔頭寺院~禅のこころと美~

京都五山の一つである東福寺は、境内に建ち並ぶ大きな建造物群が特徴の禅宗寺院。今回は、京都でも有数の紅葉の名所である東福寺とその塔頭寺院を巡る。
まず最初に訪れるのは、東山区にある臨済宗大本山東福寺。「東福寺の伽藍面」と呼ばれる建造物群は京都最大級を誇り、中でも国宝の三門は日本で最古、禅宗で最大級のものとして有名。三門の内部に入ると、天井や柱に画僧・吉山明兆とその一派が描いた極彩画が見られ、訪れる者を極楽の世界へと誘う。また仏殿と法堂を兼ねる本堂では、昭和の日本画家・堂本印象による天井画「蒼龍図」が迫力満点で迫って来る。驚異的なスピードで描かれたという天井画は、一体何日で仕上がったのか?
続いては、東福寺の南に位置する光明院。数ある東福寺の塔頭寺院の一つで、本山の本坊庭園も手がけた昭和の名作庭家・重森三玲の手による「波心庭」が見どころ。苔と砂が見事に調和する庭は、秋になると紅葉で彩られることから「虹の苔寺」との異名を持つ。また、現代作家の作品展を頻繁に催すアートな寺としての一面もあり、境内の至る所で作品を見ることが出来る。
最後に訪れるのは、こちらも東福寺の塔頭寺院である芬陀院。雪舟とゆかりの深い寺で別名雪舟寺とも呼ばれている。雪舟と芬陀院との関係とは?
深まりゆく秋の京都で、連綿と受け継がれてきた禅のこころと美に触れる。 

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