魔女の旋律

kindaichi-kousuke_12.jpg 金田一耕助(古谷一行)は京都・嵯峨野の宿で、美しいヴァイオリンの旋律にのった名曲「ツィゴイネルワイゼン」に遭遇した。耕助にとってこの曲は、幼くして病死した妹にまつわる痛恨の想い出があった。 ヴァイオリンを弾いていた憂愁を漂わせた乙女の名は珠生(伊藤かずえ)。だが、彼女は過去の記憶をすべて失っているという。
一年前、倉敷の若い市会議員の邸宅が焼けた。大火の最中、現場近くで血まみれになって倒れていた彼女を助けたのが、この宿の息子・啓一(沖田浩之)と妹の祥子(奥田圭子)だった。その時、着ていた服のネームの「珠生」という文字だけが、唯一分かっているだけで珠生自身も過去の事はまったく思い出せない。
その夜、耕助は珠生の悲鳴を聞いた。白髪の老婆が珠生を人殺しと言って襲いかかってきたというのだ。
耕助は珠生の記憶を取り戻させるため倉敷の警察に飛んだ。そこで転勤になった等々力警部(ハナ肇)に出会う。一年前の大火事事件を等々力が追っていた。失火による市議の事故死としてすでに捜査は打ち切られていたが、彼は納得していなかった。
大火によって焼死した市議の朝倉精一郎(河原崎次郎)は、事件の翌日に国会議員令嬢のとの婚礼を控えていたという。だが、精一郎には結婚を約束した恋人がいた。耕助はその恋人の名前を等々力から聞いて血の気が失せた・・・。

出演:古谷一行、伊藤かずえ、河原崎次郎、萩原流行、穂積隆信、川島美津子、沖田浩之、奥田圭子、長内美那子、坂本和子、石井愛、青木卓司、ハナ肇 ほか