人面瘡

人面瘡 山奥のひなびた湯治場・薬師の湯の程近くに、稚児ヶ淵という池があった。渡辺松代(斉藤由貴)という女がそこに身を投げようとして、薬師の湯旅館の女将・柳子(淡路恵子)と下男の万造(沢竜二)に救われた。松代の右肩には人の顔のような形をして不気味なできもの、人面瘡が宿っていた。松代は柳子のすすめで、過去を忘れ、薬師の湯旅館で働くことになった。松代の働きぶりはたちまち旅館の人々の認めるところとなり、柳子の一人息子の貞二(倉田てつを)と一緒になって旅館の跡を継いで欲しいと柳子が考えるまでになった。
その頃、東京では外務事務次官・斉藤(内田勝正)が愛人・麻美(三原じゅん子)との密会中に急死した。斉藤は円借款の見返りに3億円ものリベートを受け取ったとしてマスコミに追求されていた。麻美と斉藤の運転手の田代(宮下敬夫)は斉藤が身につけていた薬師の湯神社のお守りを見て、3億円の隠し場所はそのあたりに違いないとにらみ、薬師の湯旅館にやってきた。
稚児ヶ淵に土左衛門があがったのは豪雨の夜の翌朝だった。田代の死体だった。薬師の湯温泉は騒然となる。河合警部(谷啓)に誘われて湯治に来ていた金田一(古谷一行)はその日、宿を起つ予定だったが、柳子に頼まれ事件の捜査をする事になった。

出演:古谷一行、谷啓、尾美としのり、斉藤由貴、淡路恵子、倉田てつを、沢竜二、あき竹城、三原じゅん子、黒沢あすか、内田勝正、岡本茉利、大田沙也加、沢木蘭野、宮下敬夫 ほか