#7 オリエント急行の殺人 MURDER ON THE ORIENT EXPRESS(前編)
所属する"軍人の自害"と共に、とある部隊の問題を解決に導いたポワロ。別捜査の進展をイスタンブールで知った彼は急遽、ロンドンへ戻ることとなった。今夜に発つ寝台列車は満室だったが、偶然に再会した"ブーク"の計らいで、彼が車掌長を勤める"オリエント急行"に乗り込むことが出来た。列車にはギリシャ人の産婦人科医をはじめ、ハンガリーの外交官夫妻やアメリカの実業家、ロシアの公爵夫人とお付きの者、独身のイタリア人にスウェーデンの女性宣教師、そして堅物のイギリス人と、あらゆる国や階層の人々が乗り込んでいた。乗客の一人で、ペルシャで教師をしている"デベナム"は、不貞を働き制裁を受けていた現地の女性を助けられなかったことにショックを隠せないでいた。そんな彼女に、ポワロは"罪を承知で掟を破ったこと"そして時に正義を直視することの辛さを説こうとする・・・。ある夜、雪が線路を塞いだことで列車が完全に動かなくなる。その翌朝、車内で脅迫を受けていたアメリカの実業家である"ラチェット"が、めった刺しの死体として見つかる。