第14話  勘当

骨休めのため温泉に出かけた伝右衛門と絹ははからずも同じ宿に、なじみの女給尚子と泊まっている文彦を目撃してしまった。勉強のために東京へ行くといったのはまっ赤な嘘だったのだ。激怒した伝右衛門は、その場で文彦に勘当をいいわたした。その頃、映画を見に出かけた猛とひかるは警察に補導されていた。ショックで気を失ってしまう絹。伝右衛門はひかると猛それぞれに今までのように親しくふるまうことを禁じるのだった。数日後、親海和尚が訪ねてきた。文彦が五日前から、どうしても剃髪して仏門に入りたいと寺に居座っておると。そして別人のように自分を厳しく律していると。