第22話  恋心

番小屋に来たのははなではなく伝右衛門だった。はなが母親の出産で実家に帰り、猛の食事の世話ができなくなったことを伝えにきたのだった。猛はそばに隠れているひかるを意識して、はなを家の仕事に戻すよう伝右衛門に頼んでみた。が、逆にはなとのことをからかわれ、ひかるの機嫌をそこねてしまう。その日、ひかるは学校をずる休み。親海和尚におさまらない胸のうちをはきだした。はなのかわりに、イネという娘が工事の世話係としてやってきた。イネも猛に好意をもった様子なので、ひかるはまたしても嫉妬にかられる。