5月5日~5月9日

5月5日(月)
「こどもの日"こども食堂"から"こどもの幸せ"を考える」

ゲスト:湯浅 誠(全国こども食堂支援センター・むすびえ理事長)、浜田 敬子(ジャーナリスト / 元AERA編集長)

「こども食堂」は、様々な事情で満足に食事がとれない子だけでなく、多世代が交流する"地域の居場所"だ。13年前に誕生したとされ、昨年度には全国で1万カ所を超えた。「こども食堂」は子供たちの食事の場だけでなく、子育て支援、高齢者の健康づくり、コロナ禍の食材配布など、非常時のセーフティーネットの役割も果たしてきた。
日本の相対的貧困率はG7(主要7カ国)の中では最も悪く、子どもの9人に1人が貧困状態。特に、ひとり親世帯の相対的貧困率は44.5%と高い水準で、このうち母子世帯の割合が高くなっている。こうした背景から「こども食堂」は大変重要な役割を果たしている。しかし、国や自治体からの公的な支援は限られており、人材不足など運営上の問題も抱えているという。
ゲストは、「こども食堂」を支援する組織の代表として社会問題解決に奔走する湯浅誠氏と、男女格差など社会問題に詳しい浜田敬子氏。こどもの日に、「こども食堂」を通して、子供の幸せについて考える。


5月6日(火)
「プーチン"名ばかり停戦" トランプ仲介の決断は?」

ゲスト:名越 健郎(拓殖大学客員教授)、小谷 哲男(明海大学教授)

ウクライナ停戦をめぐり、これまでロシア寄りの姿勢を示してきたトランプ米大統領。しかし、ロシア軍がウクライナの首都キーウを大爆撃し、プーチン大統領に憤慨。停戦交渉の糸口は見えない。こうした中、米国とウクライナは鉱物資源の合意文書に署名。経済再生へ復興投資基金を設立する。今後の停戦交渉にどう影響するか、トランプ氏の決断は?
一方、プーチン氏は今月9日の対独戦勝記念日に合わせ、3日間の一時停戦を宣言。停戦交渉に応じるそぶりを見せるが、トランプ氏をつなぎとめたい「名ばかり停戦」の戦略か?さらに、プーチン氏に近づく中国・習近平国家主席や北朝鮮・金正恩総書記の思惑は?
ゲストは「独裁者プーチン」の著者で拓殖大学客員教授の名越健郎氏と、トランプ政権の内情に詳しい明海大学教授の小谷哲男氏。激しくなる「トランプvsプーチン」の駆け引きと、ウクライナ停戦交渉の行方を徹底分析。


5月7日(水)
「混迷!韓国大統領の行方 対トランプ・日本への姿勢は?」

ゲスト:池畑 修平(青山学院大学地球社会共生学部教授)、伊藤 弘太郎(キヤノングローバル戦略研究所主任研究員)

韓国・尹錫悦前大統領の罷免に伴う次期大統領選挙は来月3日投開票。革新系最大野党「共に民主党」は大統領最有力とされる李在明氏を選出。しかし、李氏の公職選挙法違反事件をめぐる裁判で、最高裁は有罪相当だとして高裁に審理を差し戻した。今後の懸念材料に...。一方の保守陣営は、尹政権で首相を務めた韓悳洙氏が無所属で出馬表明。今後、与党「国民の力」の公認候補との一本化が進むのかに注目が集まる。
「トランプ関税」で世界が揺さぶられる中、韓国も早急な対応が求められる。次期大統領候補者は対トランプ戦略をどのように描いているのか?また、今年は日韓国交正常化60周年の節目となるが、韓国の対日姿勢に変化は?
ゲストは、元NHK解説主幹で東アジア情勢が専門の青山学院大学教授・池畑修平氏と、韓国の内政・外交安保政策が専門のキヤノングローバル戦略研究所主任研究員・伊藤弘太郎氏。韓国大統領選まで約1カ月。本格化する選挙戦の対決構図と争点、トランプ関税への対応や日本への姿勢について考える。


5月8日(木)
「令和の米騒動から考える日本の食糧安全保障」

ゲスト:鈴木 宣弘(東京大学大学院 特任教授)、西川 邦夫(茨城大学教授)

コメの平均価格が5キロ4,220円。スーパーでは昨年の倍にまで高騰し、"令和の米騒動"が長期化している。政府が備蓄米を放出しても、値下がりは限定的。なぜここまで価格が上がったのか。一因は"お米の生産調整"。猛暑による不作、インバウンドによる需要増も重なり、需給はギリギリ。さらに、これから植えられる新米の取引価格もすでに上昇しており、1年前の価格でお米を買うのは、もはや難しい状況だという。この事態を沈静化させるには、増産が不可欠。しかし、農家の現場は時給10円とも言われる厳しさ。生産者と消費者がともに納得できる「適正価格」とは何か。持続可能なお米の生産体制とは何か。一方で、日米交渉ではアメリカ産米の輸入拡大が交渉カードに浮上。WTO(世界貿易機関)のミニマムアクセス枠内で主食用米の割合を増やす案や、将来的に枠外での輸入拡大を求める動きも懸念されている。
ゲストは農業経済学の専門家・東京大学大学院特任教授の鈴木宣弘氏と、日本のコメ流通に詳しい茨城大学教授の西川邦夫氏。日本の農業が守られるのか。あるいは、"安さ"を選び自給の力を手放すのか。食糧安全保障の視点から「コメの未来」を問う。


5月9日(金)
「混迷の韓国大統領選 根強い核武装論」

ゲスト:平岩 俊司(南山大学総合政策学部教授)
リモート出演:渡辺 夏目(共同通信ソウル支局特派員)

韓国を混乱に陥れたユン前大統領の非常戒厳宣言。ユン氏の罷免を受けて実施される大統領選挙の投開票まで1カ月を切った。当初、独走態勢と見られていた最大野党「共に民主党」の公認候補イ・ジェミョン前代表だが、公職選挙法違反をめぐる二審の無罪判決を最高裁が棄却し、逆風が吹き始めた。一方、与党「国民の力」は、ユン氏の弾劾に反対したキム・ムンス前雇用労働相を公認候補に選出。また、ハン・ドクス前首相も大統領候補に名乗りを上げ、選挙の行方はわからなくなってきた。不安定な政治状況が続き分断が深まる韓国。この国で、今、「核武装」を求める声がひそかに広まっている。日本と同じくアメリカの核の傘に頼る韓国だが、事実上の核保有国となった北朝鮮の脅威に加え、トランプ大統領の同盟を軽視する姿勢を背景に、独自に核兵器を持つべきだと考える国民が増えているというのだ。本当にそんなことができるのか?だが、もし、韓国が核を持てば、 日本にも大きな影響を及ぼすことは必至だ。来月、国交正常化から60年を迎える日本と韓国。世界情勢が大きな曲がり角を迎える中、安全保障や経済分野で危機感を共に抱える両国は、どのような関係を築いていくべきなのだろうか?
混迷する韓国情勢を、韓国や北朝鮮の政治研究に関する第一人者である南山大学の平岩俊司教授がスタジオで生解説。現地の状況をソウルから共同通信の渡辺夏目特派員が中継する。