第38話  白紙

伝右衛門の葬儀は悲しみのうちにとり行われた。絹は涙一つ見せず、それがかえって周囲の悲しみをさそった。勇作が、伝右衛門が死んだ以上今までの約束は白紙に戻す。従って全ての物件は自分の持ち物であり、自分の自由になると宣言した。猛は激怒するが、ひかるにたしなめられて、涙をのむ。翌日、勇作が猛をクビにすると言いだした。ひかるは絶対反対。猛とひかるが愛し合っていたことをしった勇作は嫉妬し、新婚早々外泊をする。静子にせめられ、うなだれるひかると慰めてくれたのが、義父の政之助だった。猛が村を出て行こうとする。