第48話 犠牲
ひかるの訴えが功を奏したのか猛が突然、進駐軍の物資を勇作に引き取ってもらいたいといってきた。猛が刺されたのも事実のようなので、勇作はひかるのいったことは本当なのだと思い知らされた。そこで、ひかるにもう一度戻ってきてもらいたいと思うが、自分から頭を下げることはできなかった。結局、政之助がひかるを迎えにいくことにする。政之助はひかるや絹の前で頭を下げ、息子のいたらなさは自分の責任だ、と涙まで流して、ひかるへのひどい仕打ちを謝った。絹はこれ以上家の犠牲になることはないと、ひかるが帰ることに反対した。ひかるは自分の努力が足りなかったのだと帰る決心をする。