第53話 意志
文彦が友子を追って、上京するといいだした。絹に内緒で金を持ち出し、伝右衛門の形見の金時計まで質に入れてしまったので、絹は愕然。度重なる心労で、ついに倒れてしまった。責任を感じた文彦は、東京行きをしばらく見合わせることにした。が、ひかるに励まされ、気をとりなおして出発していく。その夜、猛は質屋から金時計を受け出してきた。目をうるませて感謝する絹に、猛は突然三枝家を出ていくと告げる。ひかるに、今の猛には伝右衛門の遺志を受け継ぐ資格がないとなじられたのがこたえたのだった。勇作が退院。秀子が猛と関係をもったのを知り、激怒。