第35話  美食の物語

陵墓参拝の途中、立ち寄った民家で殷紫萍が作る民間の料理が次々と運ばれた。衛(えい)王・朱瞻埏(しゅせんえん)はすっかり気に入り、食欲のない胡善祥さえ箸をつける。殷紫萍が語る料理にまつわる話も面白く、胡善祥は自分の配膳係にしたいと姚子衿に切り出した。姚子衿は難色を示すふりをするが朱瞻基も認め、殷紫萍は皇后の係となった。蘇月華は見せ場もなく係も外され恨みを募らせる。一方、朱瞻基の内侍・袁琦(えんき)は張皇太后に姚子衿の悪口を吹き込んでいた。