第63話  薄情

勇作の窮地を見かねた静子は、秀子を訪ね、養豚場を立ち退いてもらうよう猛に頼んでほしいと訴えた。が、秀子はそれなら三枝の屋敷を猛の言い値で手ばなせ、とつれない返事。静子は秀子の薄情さをなじるが、秀子も内心はやりきれなかった。ひかるの流産をしらされていなかった絹が、ついにその事実を知った。絹は病院へ駆けつけ、今度こそ勇作と離婚しろと訴えるのだった。あんなに強がっていた勇作だがとうとう猛のいうなりに、三枝の屋敷を手放すはめになった。絹は感動に打ち震え、猛も感涙にむせんだ。