#12  第6部「血煙り荒神山」(前編)

慶応二年。世に名高い伊勢荒神山の縄張りをめぐる大抗争が持ち上がる。伊勢の貸元神戸の長吉と安濃徳との争いである。長吉の兄弟分に、吉良の仁吉という肝のすわった博徒がいて、その仁吉とゆかりの深いのが次郎長だ。荒神山欲しさに横車を押し続ける安濃徳に対して、長吉、仁吉、次郎長は耐えに耐える。