#13(終)  第6部「血煙り荒神山」(後編)

荒神山での大出入りから二年。博徒の世界にもようやく新しい風が吹き込んできた。時代が博徒を変え、次郎長も幕臣山岡鉄舟などの影響を深く受け、人間的に成熟した。幕府の軍艦が官軍艦隊に撃破されて多くの死者を出した清水港。次郎長が官軍への気がねを押し切り、海上に漂う死体を葬ったのもその頃である。