第10回(終)  第4部:希望 後編

竜馬は次の手をうつ。倒幕で薩長に遅れをとった土佐と組んで新しい商社を興し、海から維新をサポートする。「海援隊」の誕生である。しかし、薩長は独走を始めた。積年の幕府への恨みをはらすには、武力によって徳川を叩き潰すしかないと合意したのだ。公卿の岩倉具視を動かし、倒幕の勅命を待っている。 このままでは江戸が火の海になり、また人が死ぬ。竜馬最後の勝負が始まる。「政権を朝廷に奉還する」この奇策を幕府が受ければ、一滴の血も流さずに革命が成功する。「大政奉還」が先か、「倒幕の勅命」が先か...竜馬は勝った。大政奉還は成った。しかし、ここから竜馬の孤立が始まる。倒幕によって幕府側に恨まれ、徳川を残したことで薩長に恨まれる。その上、新政府の名簿に自分を入れなかった。「これからの坂本竜馬の相手は海だ!世界だ!」慶応三年十一月十五日、竜馬暗殺。三十三回目の誕生日だった。「みんな聞いチくれ。誰も死なん、誰も殺さん、女子供が笑って暮らせる、わしはそういう日本国を作りたいんじゃ!ハハハ、ハハハ...!」竜馬の声が空に響く!