#3 第二部 京都雫石恋唄(前編)
京にたどりついた貫一郎は新選組に入り、剣術師範方の地位を手に入れた。手当ての多い危険な仕事も進んで引き受け、人を斬り、血に汚れた金を仕送りしていた。そんな貫一郎は、同輩から「守銭奴」「出稼ぎ浪人」と蔑まれていた。南部に残した妻子もまた、脱藩者の家族という不名誉を耐え忍んでいた。酔えばお国自慢を始める貫一郎。ある夜突然、彼を疎んじる隊士の斉藤に斬りつけられた時、死にたくないから人を斬るのだと心情を明かす。
京にたどりついた貫一郎は新選組に入り、剣術師範方の地位を手に入れた。手当ての多い危険な仕事も進んで引き受け、人を斬り、血に汚れた金を仕送りしていた。そんな貫一郎は、同輩から「守銭奴」「出稼ぎ浪人」と蔑まれていた。南部に残した妻子もまた、脱藩者の家族という不名誉を耐え忍んでいた。酔えばお国自慢を始める貫一郎。ある夜突然、彼を疎んじる隊士の斉藤に斬りつけられた時、死にたくないから人を斬るのだと心情を明かす。