第1話  都への旅立ち

江南の大富豪の庶子・慕灼華(ぼしゃくか)(慕琦(ぼき))は、女子ながら科挙の郷試に合格した秀才。荘(そう)県令との婚儀を5日後に控えていたが、都・定京で会試を受けるため、侍女の郭巨力(かくきょりき)を連れひそかに家を出る。都に着いた2人の馬車は追ってきた県令の配下に捕まりそうになるが、ちょうどそこへ南宸皇帝の異母弟である定王(ていおう)・劉衍(りゅうえん)の行列が通りかかる。