第6話  

景清の屋敷に招待された天堂は景清の新しい事業―葡萄園作りに自分も参加させてほしいと申し出た。底知れぬ強さを秘めた天堂に興味を覚えた景清は、天堂のプランを検討することを承知した。貴久子と柳子は、天堂が朝倉家に出入りするのを嫌がった。ことに天堂に強引に口づけされた柳子は、天堂の顔など二度と見たくなかった。それからまもなく、天堂が葡萄園のプランを持って朝倉家にやってきた。が、景清は根本的なものが欠けていると、そのプランを突き返した。怒りを押さえて帰る天堂の耳に柳子の悲鳴が聞こえた。