第13話  

思いもよらない天堂からの誘いの手紙に、柳子の心は乱れた。両親から華族の娘としての心得を説かれ、一度は断りの手紙を書きかけた柳子だったが、やはり約束の場所へ来てしまった。一方、天堂も柳子に血を貰ってから心に変化が起こっていた。柳子に素直に感謝の気持ちを伝えた天堂は、激情にかられ、思わず柳子を抱きしめた。が、一瞬亡き母の姿が浮かんできて、やはり柳子を愛せないと思って去った。やがて、柳子は天堂が何か企みを持って自分たちに近付いてきたことを知った。天堂は柳子を亡き母の墓に案内し、朝倉家への復讐を誓ったいきさつを語った。