第28話  

天堂の見方をするのなら朝倉家を出ていきなさい、と貴久子にに泣かれて、柳子は父の遺骨も持ってくることはできなかった。翌日、意気消沈している柳子に琴子が小さな骨壷を渡した。昨夜の一件を偶然聞いていて、柳子のかわりに遺骨を分けて持ってきたという。琴子の優しさに涙ぐむ柳子。早速、柳子は天堂の所へ遺骨を届けにいった。が、天堂は赤紙が来て、すでに出頭して行ったと...。柳子はショックのあまり、自分の人生が呪われているのではないかと思った。その頃、天堂は憲兵隊の小野田大尉から、スパイにならないかともちかけられていた。天堂は二日の猶予を許されるが...。