第34話  

天堂が明日出征する事を知ったタカは、柳子に連絡した。その夜、屋敷をこっそり抜け出した柳子は、ある決意を秘めて天堂の元へ。今夜、二人だけで結婚式を挙げてほしい― 柳子は天堂に訴えた。そして、立会人として花土枝(佐藤眞浪)とローレンス神父(レオ・メンゲッティ)を呼んでくる。憲兵隊の探索の手を逃れて、四人は広尾の教会にたどりついた。天堂と柳子は神の前で互いの愛を誓い、結ばれた。翌朝、特殊任務を滞びた天堂は真の男の愛と誇りを求めて、ソ満国境へと旅立った。昭和十八年、冬のことだった。