第42話  

建設業を営む飛田は、戦争で妻子を失っていたが、日本復興の夢に燃えていた。そんな飛田に好感を持った天堂は、飛田のところで働くことにする。ある日、仕事のことで飛田と日比谷クラブへ出かけた天堂は、柳子と圭吾と顔を合わせた。飛田から、柳子が"夜叉婦人"と世間で噂されているのを知らされ、驚く天堂。そして、朝倉産業は飛田組のライバルとも。その時、朝倉産業に仕事を横取りされ、会社が破産したと言って、男が柳子らに詰め寄ってきた。平然と男をふりきる柳子に、もはや昔の面影はなかった。天堂は別人のように変わってしまった柳子が痛ましい。