第60話  

柳子は金を届けてくれたお礼を言いに天堂を訪ねた。圭吾が帰ったら、昔の誇りある生活をとり戻してほしいと忠告する天堂。が、柳子は立ち退きの話し合いは合法的に再開すると、争う姿勢をくずさなかった。その夜、タカの店に浮浪児たちが忍び込んできた。病気の友だちのために薬を捜しにきたという。天堂とタカは急いでその子のもとに駆けつけるが、その顔を見て驚いた。死んだ正一にそっくりだったのだ。二人は子どもたちを家につれ帰り、皆の面倒をみようと話し合う。圭吾が釈放されて帰ってきた。天堂に助けてもらったと聞き、圭吾は柳子に暴力をふるう。うすれる意識の中で柳子は、夫婦の絆が音を立てて切れていくのを感じた。