第68話  

柳子は自分も同行するから自首してほしい、と圭吾に訴えた。が、誤った華族の誇りに固執する圭吾に、柳子の気持ちは通じない。その夜、圭吾は殺意をもって天堂を訪ねるが、拳銃をつきつけても動じない天堂に負けて、去った。圭吾は東京から姿を消した。数日後、飛田が釈放されて帰ってきた。琴子は飛田の胸にとびつき結婚してほしいと打ち明けた。飛田も琴子のことを愛していたが、将来のことを考え、まず通訳になるためのアメリカ留学を琴子に勧めた。その翌日、圭吾の自殺の知らせが柳子のもとに届けられた。柳子は覚悟していたことだった。