6月29日~7月3日

6月29日(月)
「人工知能(AI)で変わる戦争と世界 その可能性と危険性」

ゲスト:小野 圭司(防衛研究所 主任研究官)、ジェームズ・シムズ(ジャーナリスト / 元外国特派員協会会長)

AIは我々の日常生活で広く活用されているが、軍事分野も例外ではない。膨大なデータを収集・解析して攻撃目標を提示するだけでなく、戦場での作戦立案や意思決定を担い始めている。ウクライナやイラン攻撃などでも活用され"戦争の形"を変えた。アメリカの国防総省内にも導入され、派遣されたシステムやスタッフが国防を内部から支えている。その技術はパランティア社などのAI技術であり彼らはトランプ政権に影響力を持つ「テック右派」の象徴的存在でもある。彼らの技術は日本でもコロナ対策や災害対応で既に導入され、防衛分野での活用への検討も進みつつある。だが、先行してパランティアなどを導入した欧州では個人データ流出や国民監視が既に問題視されている。米国主導のシステムに依存すれば日本の情報が流出する恐れがあり、独自開発による徹底したデータ管理が不可欠だ。あらゆる状況においても存在、影響力を及ぼすAIと私たちはどう"共存"するのか。 番組では、戦争・軍事の経済学、戦争経済思想などを研究してきた防衛研究所の小野圭司さんと米国の状況に詳しいジャーナリストのジェームズ・シムズさんをゲストにAIが世界に与える可能性とリスクについても徹底検証する。


6月30日(火)
「中傷動画が選挙を動かす "偽情報拡散"どう防ぐ?」

ゲスト:逢沢 一郎(自民党 総務会長代行)、落合 貴之(中道改革連合 政調会長代行)

「高市1強」の足元が揺らいでいる。その火種は首相の公設秘書が総裁選や衆院選で、他候補を中傷する動画投稿に関与したのではないかとの疑惑だ。首相は陳述書提出で対応するが、野党は反発。会期末が迫る中、政治はどう動くか?こうした中、与野党は選挙運動でのSNS上の偽・誤情報の対策を盛り込んだ、公選法改正案を今国会で成立させる見通しだ。選挙戦の主戦場が街頭からネット空間へ移る中、偽情報や切り取り動画、候補者への誹謗(ひぼう)中傷が有権者の判断を大きく左右する時代に...。表現の自由を守りながら悪質な情報操作をどう防ぐのか?
ゲストは、自民党総務会長代行の逢沢一郎・衆院議員と中道改革連合政調会長代行の落合貴之・衆院議員。改正案を取りまとめる与野党の当事者に、SNSと政治・選挙の在り方や課題を問う。


7月1日(水)
「習近平が挑む"負の歴史" 文化大革命の完成とは」

ゲスト:楊 海英(静岡大学教授)、近藤 大介(講談社特別編集委員)

中国で1966年に起きた文化大革命から今年で60年。建国の父・毛沢東が始めた政治闘争は政権幹部の粛清や知識人の迫害など、国内に大混乱をもたらした。中国共産党の"負の歴史"ともいわれる出来事について専門家は、「文化大革命はまだ終わっていない。習近平主席は文化大革命の完成を目指している」と警鐘を鳴らす。文化大革命は習近平主席の少年期から青年期に大きな影響を及ぼしてきた。父親の仲勲氏は粛清の対象とされ、自身も農村地域で肉体労働を通じた思想改造を目的とする「下放」を経験。にも関わらず、なぜ「文化大革命の完成」を目指すのか?毛沢東時代の統治スタイルを取り入れている習主席の思惑とは...。
ゲストは、文化人類学者で長年、文化大革命について研究する静岡大学教授・楊海英氏と、中国共産党の内情を取材する講談社特別編集委員・近藤大介氏。中国共産党創立記念日の7月1日に、"負の歴史"ともいわれる文化大革命に注目し、統制強化を緩めない習政権の今後に迫る。


7月2日(木)
「インテリジェンス改革元年 日本の"情報戦略"道筋は」

ゲスト:小原 凡司(笹川平和財団 上級フェロー / 一般社団法人DEEP DIVE 代表理事)、小谷 賢(日本大学 危機管理学部教授)

ロシアのウクライナ侵攻は、戦争の形が変わったことを世界に示した。ミサイルや戦車と並び、サイバー攻撃、偽情報の拡散、SNSを通じた世論操作が「武器」として使われる時代が到来している。情報が最大の武器となる時代に、国によるインテリジェンス機関が果たす役割とは。インフォーメーションをインテリジェンスに変える情報の整理・分析の仕組みとは。身の回りにには様々な情報漏洩の危険が潜む。国を守るためのインテリジェンス機関の役割とは。今後、インテリジェンス改革の第2弾として、海外で情報収集活動を行う「対外情報庁」設立や外国勢力による工作活動などに対処する「スパイ防止関連法案」の策定などが進んでいく。今後は法整備や人材育成が必要となるが、通信傍受や個人情報の取り扱いをめぐり反対意見も根強い。今後どういった議論や意見集約が必要なのか。
ゲストは独自にインテリジェンス機関を運営する小原凡司氏と日本大学危機管理学部教授の小谷賢氏。高市インテリジェンス改革の現在地と今後の道筋を語ってもらう。


7月3日(金)
「少子化問題は多額の支援で解決するか」

ゲスト:山口 慎太郎(東京大学大学院 教授)、戦記(教育投資ジャーナリスト)

ことし6月、厚労省発表の去年の出生数は約67万人。10年連続で過去最少を更新した。合計特殊出生率も1.14と、10年連続で過去最低を記録している。一方、今年度のこども・子育て支援予算は約7.5兆円で"少子化対策基本法"成立直後の6倍以上となった。全世代で負担する「子ども子育て支援金制度」も始まったが、少子化問題は解決に向かうのか。諸外国も少子化対策に多額を拠出している。韓国は16年間で約30兆円を投じ、出生率は0.72から0.80へと2年連続で上昇。しかし世界最低水準は変わらない。かつて「成功モデル」とされたフランスも、手厚い支援体制を敷きながら、近年は出生率が低下。過去100年で最低を記録している。お金を積めば子どもは増えるのか、各国の経験が問いかける。一方、過熱する受験競争に伴い、子育てを"コスト"して意識する風潮も高まっている。
番組では、受験生の子どもを持つ親として「教育投資」を掲げて情報発信する戦記氏と、子ども子育て政策などに詳しい経済学者の山口慎太郎氏をゲストに迎え、子育てとお金の現実、効果的な少子化対策のあり方を考える。