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ドラマ

氷点2001

© テレビ朝日/MMJ

名作劇場氷点2001

番組紹介

北海道旭川市。
青年医師・村井と密会しているあいだに娘を殺されてしまった辻口病院の院長夫人・夏枝。
そんな妻の不貞を疑う院長・辻口は、夏枝の復讐心を込めて娘を殺した男の娘を養女として引き取り、夏枝に育てさせる。
15年後、その娘・陽子は美しく成長し、あるきっかけで真実を知ってしまった夏枝は、陽子を憎みはじめる・・・。

1968年にドラマ化され大ヒットした作品のリメイクで、
母と義理の娘の愛憎劇を描いた三浦綾子のベストセラーを現代風にアレンジしたヒューマンドラマ。

出演者・スタッフ

【スタッフ】
脚本:中園ミホ
演出:阿部雄一 ほか

【出演者】
辻口夏枝:浅野ゆう子
辻口啓造:三浦友和
村井靖夫:吉田栄作
辻口徹:鳥羽潤
辻口陽子:末永遥
藤尾辰子:戸田恵子 ほか

過去のラインアップ

第1話「娘、陽子を私は憎んでいる!!」  続きを読む | 閉じる

氷点2001

それは、今から15年前のある夏の日のことだった。
辻口病院の院長夫人・夏枝(浅野ゆう子)は、家に訪ねてきた若い村井医師(吉田栄作)から求愛を受ける。
「夏枝さんはどうしていつも僕から逃げるんですか」。
夫の啓造(三浦友和)が出張で留守であることを知った村井は、半ば強引に夏枝を抱き寄せる。そんな村井に反抗しながらも、夏枝は思わず身をゆだねてしまったのだった。

啓造が予定よりも早く帰宅した。自らの心の迷いを振りきるようにピアノを弾くところを見られてしまった夏枝だが、根っからの善人でもある啓造は妻の異変に気付いていないようだ。しかし、娘のルリ子の姿が見えなくなっていることに気がつくのに時間はかからなかった。自分が村井に身をゆだねている間に...。夏枝の心は激しく乱れる。
そんな妻をいたわりながら啓造は警察に通報。やがてルリ子の遺体が近くの河原から発見される。ルリ子を連れ去ろうとした佐石という男による犯行だった。あまりのことに夏枝はもちろん、啓造も言葉を失う。やがて佐石は獄中で自殺。しかし、娘を失った心の傷は深く夫婦の中に刻み込まれる。

村井が啓造に辞職を申し出た。ロンドンの病院に行くという村井は、別れ際啓造に決定的な言葉を投げつける。
「あの日、夏枝さんと何があったか知りたいんでしょう? 何もなかったとは言いませんよ」。啓造は激しく打ちのめされる。
ルリ子を殺した佐石の子供が乳児院に預けられていることを知った啓造は、女の子を欲しがる夏枝のためにとその赤ん坊を引き取って育てると申し出る。犯人への恨みを捨て罪のない幼子を引き取るとは...。が、その裏には啓造の恐ろしい心が隠されていた。
事実を知る由もない夏枝は女の子の赤ちゃんを授かったことに大喜び。陽子と名付け、実の子の徹と分け隔てなく育てていく。しかし、真実を知る啓造はどうしても心から陽子を愛することができない。そんな夫の感情を敏感に察知した夏枝は啓造を責めるが、啓造はただごまかすだけで...。

陽子を引き取って15年の歳月が流れた。14歳の娘に成長した陽子(末永遥)は素直な娘に成長。結婚記念日恒例の家族での食事に大喜びしている。一方、長男の徹(鳥羽潤)はそんな一家の慣習に文句を言いながらも素直に参加するなど、辻口家は幸福を満喫していた。
しかし、一家がそろってレストランへと出かける途中、夏枝はふっと気配に振り返る。村井がこっそりと夏枝を見ていたのだった。それは辻口家の幸福が音を立てて崩れていく瞬間でもあった...。

第2話「娘をいじめ始める母」  続きを読む | 閉じる

氷点2001

『わたしは陽子を愛するために引き取ったのではないのだ......ルリ子を殺した犯人の子とも知らずに育てる夏枝を見たかったのだ』。
夫の啓造(三浦友和)が親友の高木(益岡徹)に出そうとし思いとどまったメールを、村井(吉田栄策)によって送り付けられた夏枝。
真実を知ってしまった彼女は、何も事情を知らず無邪気にはしゃぐ陽子をただ凝視するしかできなかった...。

その夜、ひとりベッドで眠れない夜を過ごした夏枝はひとつの確信を抱く。
「私の心には氷点がある。氷点は心の沸点だ」。
翌日、水泳部の練習に励む陽子の前に村井が姿を現した。パーティーでの非礼をわびながらホースで水を浴びると帰っていく村井。陽子はちょっぴり奇妙な彼に好感を抱くが、なぜか母は顔色を変えるだけで何も言わない。
夏枝は啓造の帰宅が遅くなることを知ると、思い切って村井に電話をする。僕も話があるから、と海岸に呼び出された夏枝は、村井から陽子が、啓造が憎くないのかと問い詰められる。夏枝は村井にすべての真実を家族の誰にも内緒にしてほしいと告げると、強引に抱き寄せる村井に砂浜を転がされながらも振り切って帰宅する。
すでに帰宅していた啓造は、砂にまみれた妻の姿に疑惑を抱いて...。

夏枝の父・一成(神山繁)の目の手術も成功。
執刀した村井は啓造に報告するが、昨夜夏枝といっしょに海岸にいたことをほのめかす。
啓造はあのときと同じように不快な胸騒ぎを覚える。そう、ルリ子が殺された日と同じ...。

陽子が弁論大会の代表メンバーに選ばれた。大喜びする陽子に啓造は、一成の快気祝いと合わせてお祝いのパーティーをしようと提案。陽子は祖父のためにケーキを焼くと言うと、夏枝は材料を揃えるから、と陽子に約束する。
パーティー当日、ケーキを焼こうとした陽子だったが、まるで材料が揃っていない。夏枝が陽子を困らせるため、ワザと買い忘れたのだった。祖父へ快気祝いを渡すことができず困っていた陽子だったが、啓造が大きなケーキを買ってきてなんとかその場を取り繕う。
しかし、夏枝はほっと胸をなでおろす陽子を冷ややかに見つめるだけで...。

村井がプレゼントと陽子に箱を差し出した。辰子(戸田恵子)に手伝ってもらい、さっそくその白いブラウスを着てみる陽子。
そんな娘の姿にルリ子が殺された自分を重ね合わせた夏枝は「二度と着ないで」と吐き捨てる。
さすがの陽子もそんな母にショックを隠せない。
しかし、このとき、夏枝の陽子に対する復讐がいよいよ始まろうとしていたとは、啓造も陽子自身も気付く由もなかった。

第3話「殺意」  続きを読む | 閉じる

氷点2001

想像の中で陽子(末永遥)を階段から突き落としてしまった夏枝(浅野ゆう子)。「私はいつか本当に、陽子を殺してしまうのだろうか」。愛し続けた陽子に対して憎しみを抱き始めた自分に、夏枝は恐怖を感じ始める。

看護婦の由香子(高木りな)が啓造(三浦友和)をピアノのリサイタルに誘う。どうやら村井(吉田栄作)の入れ知恵らしい。啓造はさりげなく断るが、代わりに村井が由香子と行くことに。陽子が家族に内緒で辰子(戸田恵子)のもとでアルバイトを始めた。陽子の友人・すず(今江千佳)から話を聞いた徹(鳥羽潤)が訳を聞くと、お金を貯めて両親にピアノのリサイタルのチケットをプレゼントしたいという。徹はそんな陽子のためにバイトのことは見て見ぬふりをすることに。

陽子のスピーチに感動し、取材を申し込んできたマスコミを啓造に追い払ってもらおうと夏枝は病院へ。が、村井がすでに手を回し、記者を追い返してしまう。思わぬところで夏枝と再会した村井は、家を出て自分といっしょに逃げようと誘いをかける。が、夏枝は今まで通り啓造の前では陽子を愛し続けると言い放つ。村井は、そんな夏枝が心配でならない。「そんなことを続けたら、あなたが壊れちゃいますよ」。押し問答をする2人を偶然見かけた啓造は、再び怒りを感じて...。

陽子のアルバイトが夏枝らにバレてしまった。ここぞとばかりに陽子を責める夏枝だが、陽子の思いを知る徹は必死に庇い、啓造もさして気にする風でもない。夏枝はそんな啓造に対して怒りを新たにする。

翌日、陽子が出かけようとすると、弁論大会でもらった賞状が捨てられていた。ショックを受ける陽子に、異変を察知した徹。陽子は懸命にごまかすが、徹は我慢できず夏枝を激しく非難する。が、その徹も陽子に対して恋に似た感情を抱いていることを見透かされ、返す言葉もない。

一方、啓造は村井から夏枝への復讐のため、陽子を養女にしたことを責められる。村井にすべてを知られてしまっていた...。ショックを受けた啓造は高木(益岡徹)にすべてを告白するが、心は晴れない。そのまま街をさまよっていると、陽子とばったり出くわした。陽子は父の様子に驚きながらもピアノリサイタルのチケットを差し出して...。

第4話「15年間育ててくれてありがとう」  続きを読む | 閉じる

氷点2001

人込みにまぎれ陽子(末永遥)を階段から突き落としてしまった夏枝(浅野ゆう子)。が、階段から落ちる陽子を庇った村井(吉田栄作)が大けがを負ってしまった。激しく自らを責める夏枝だが、事情を知らない啓造(三浦友和)は夏枝をやさしくなぐさめる。しかし、そんな啓造の上っ面の言葉が夏枝には耐えられない。しかも陽子までが夏枝のために雑炊を作ってくれた。あまりのやさしさに夏枝は言葉を失い...。

このままでは陽子に対して何をするかわからない。夏枝は陽子を全寮制の学校へ入れようと辰子に頼むが、辰子は母親がそばにいるべきと夏枝の頼みを断ってしまう。一方、啓造は、陽子への熱い想いを告白した徹(鳥羽潤)を呼びつけて戒める。徹も素直に啓造の言葉を聞き入れるが...。

陽子の誕生日が近づいたある日、陽子が水泳大会をすっぽかしたと抗議の電話が入る。階段から落ちたケガが癒えないのに泳げるわけがない。確か夏枝が断りの連絡を入れてくれると言っていたはずだが...。あわてて会場に駆けつけたが、代わりのメンバー登録もできず、水泳部は出場取り消しに。非難される陽子はただただ頭を下げるだけで...。

どうしてお母様は...。ショックを受けた陽子は偶然出会った徹の友人・北原(冨田賢太郎)に車で送ってもらう。帰宅した陽子はひとりで出歩いたことを啓造や徹に責められるが、うまく言い訳ができない。そんな陽子を夏枝は庇うどころか、まるで北原とデートでも楽しんできたかのような言い方をする。陽子はただ耐えるしかない。

陽子の15回目の誕生パーティーが開かれることになった。今年も夏枝の手作りのプレゼントがもらえる。ご機嫌な陽子だったが、そんな陽子に夏枝は恐ろしいプレゼントを手渡そうとしていた...。

第5話「母の浴衣が着たかった...」  続きを読む | 閉じる

氷点2001

陽子(末永遥)は啓造(三浦友和)と夏枝(浅野ゆう子)の本当の子供でないことが、陽子にばれてしまった。ショックを受けながらも両親への変わらぬ愛を示す陽子。夏枝はそんな陽子の愛をぼう然と受け止めるしかなく...。啓造は陽子にすべてを告げた夏枝を非難するが、一方の夏枝も啓造の恐ろしい復讐を非難しようとする。が、なんとか気持ちを抑え、啓造の前では良き妻、母親を演じることを改めて誓う。

なぜ母は陽子につらくあたるのか。徹(鳥羽潤)はそんな疑問を高木(益岡徹)にぶつけるが、異変を察知した高木は翌日辰子(戸田恵子)と明るく振る舞いながら辻口家を訪ねる。そこで高木は徹が事情を聞きに来たことを啓造に告げ、改めてしっかりするよう釘をさす。

徹がすず(今江千佳)と帰宅、辻口家は一気ににぎやかになる。さっそく皆で昼食を、ということになるが、夏枝が持ってきたのは陽子の作った弁当ではなく...。驚く陽子を無視するように振る舞う夏枝だが、夏枝がすべて捨てたことに気づいた辰子は不審を抱く。

その夜、ぎこちなく夕食をとる啓造ら4人だったが、徹が外泊を素直に謝ったことで一気に和解の方向へ。啓造も子供たちのことをかまってやれなかったと頭を下げ、改めて一家は絆を強くする。そして子供たちが盆踊りに出かけることを利用し、啓造は久しぶりに夏枝を食事に誘う。心がほぐれた夏枝も、啓造がプロポーズした思い出の店に行きたいとリクエスト。久しぶりに2人は夫婦としての愛情を取り戻す。が、夏枝は盆踊りに陽子が自分の浴衣を着ることがどうしても我慢ができず...。

啓造と夏枝が久々にデートをする当日。啓造はどうしても目が離せない患者を診ることに。これでは食事に間に合わない。仕方なく啓造は由香子(高木りな)に夏枝への伝言を頼むが、啓造を自分のものにしたいと想いを募らせる由香子はわざと伝言を無視する。一方、盆踊りへ出かけようとした陽子は、部屋から大事な浴衣が消えてしまっていることに気づいて...。

第6話「お兄ちゃんに抱きしめられた夜」  続きを読む | 閉じる

氷点2001

「私に言わせれば、ルリ子を殺した犯人も、村井も、お前も、同罪だよ」。夏枝(浅野ゆう子)と激しく言い争ううちに、ついに啓造(三浦友和)が怒りを爆発させる。が、そんな2人の罵り合いを偶然徹(鳥羽潤)が聞いてしまい、今度は徹が両親を非難する。「自分たちの都合で、陽子の人生狂わせるようなことすんなよ!」。そんな3人のやりとりを知る由もない陽子(末永遥)は、夏枝のために髪飾りを買って帰ってくるが、夏枝は髪飾りをつけようとする陽子の手を振り払うと髪飾りを踏み潰し家を飛び出して行ってしまう。

結局、その夜は夏枝は帰らず、陽子も自分は母が嫌いな人間の子供なのでは、と口にするまで落ち込んでしまう。そんな陽子を哀れに思う徹からけしかけられ、啓造は夏枝の父・一成(神山繁)の自宅へ。一成も「2人で話し合おう」という啓造といっしょになり夏枝を説得するが、どうしても今あの家に戻る気にはなれない。仕方なく啓造もしばらく夏枝をひとりにしておいてやることに。

なかなか帰ってこない母に陽子のイライラは募るばかり。徹から父親に任せておけ、と言われても気が気ではない。と、そこへ夏枝を見かけたという村井(吉田栄作)から電話が。村井によると、どうやら夏枝は別荘へ行ったらしい。陽子は啓造と別荘へ行こうと言うが、啓造はしばらくそっとしておこうと動こうとしない。

父の前では引き下がった陽子だが、その夜母のことを思うとどうしても寝つけない。陽子はベッドから起きあがるとひとり雨の中、こっそりと家を出る。ずぶぬれで現れた陽子を仕方なく部屋の中に入れた夏枝。「お母さまが何に苦しんでるのか、知りたいの」という陽子をただ黙って見つめるしかない。やがて耐えられなくなった夏枝は、金を手渡しこれで帰ってと半ば強引に部屋から追い出してしまう。

翌日、陽子がいないことに気付いた啓造は別荘へ。なんと陽子は別荘の外で一夜を明かしたらしい。さすがの夏枝もそこまで自分を心配してくれる陽子にいとおしさを感じるが、いまだに村井との関係を疑う啓造に再び心は冷えていく。そんな折り、一成が倒れたという電話が入り...。

第7話「涙をみせない怖い少女」  続きを読む | 閉じる

氷点2001

母・夏枝(浅野ゆう子)に冷たく突き放されても、明るく耐える陽子(末永遥)に愛おしさを押さえきれなくなった徹(鳥羽潤)は、思わず陽子を抱きしめる。そんな様子を見た夏枝は陽子に対する憎しみをさらに増幅させていく。 「あの子がいると、この家はおかしくなるわ」。
しかし、啓造は一方的に陽子を責める夏枝を「君にも家族を裏切るような怖い部分があるんじゃないのか」と冷たく突き放す。

徹が両親に相談もせず大学を辞めたいと言い出した。あわてて説得する啓造と夏枝に、徹はもう父を尊敬することもできなければ病院を継ぐ気持ちもないという。夏枝への復讐のため、ルリ子を殺した犯人の娘・陽子を引き取った啓造、その陽子に対して憎しみを露にする夏枝...。そんな両親に徹はすっかり失望していた。何を言っても取り付く島もない徹を、啓造はそっとしておくしかなく...。

村井(吉田栄作)に無理やり抱かれたところを啓造に見られた由香子(高木りな)から「院長先生、さようなら」と告げる電話が入った。胸騒ぎを覚えた啓造は由香子のマンションに駆けつけるが、すでに引き払ったあと。ひとり来ていた村井から「探してもムダ。松崎は苦しむだけですよ」と告げられる。

陽子の進路相談の日がやってきた。夏枝と教師の前で陽子は、父のような医者になりたいと自らの夢を。徹は医者への道をあきらめようとしているのに、その原因となった陽子が医者になりたいなんて...。怒りが頭をもたげた夏枝は書店で参考書を立ち読みする陽子のかばんに写真集を滑り込ませると、警備員に何事かを告げ何食わぬ顔で去って行く。

陽子が万引きの容疑で警察に連行された。夏枝の仕業と直感した陽子が、最後まで母を庇い言い訳をしなかったからだ。警察に駆けつけた啓造と徹は懸命に陽子を庇うが、事情を聞いた徹はすべてを悟り、ひとり書店へ状況を聞きに走る。が、啓造は一瞬、佐石の娘であるという理由から陽子を疑ってしまい...。

なんとか釈放された陽子だが、夏枝の仕業と確信した徹は母を見捨てるように出て行ってしまう。啓造も緊急の仕事が入り出張へ。陽子と2人だけになった夏枝は、追い詰められついに言ってはならない事実を陽子に告げようとする。が、そのとき...。

第8話「そんなにあの子が大切ですか」  続きを読む | 閉じる

氷点2001

病に冒された殺人犯の手術を手伝うため、急遽出張した啓造(三浦友和)だったが、救急車の事故に巻き込まれ海へ転落してしまった。事故の連絡を受けた夏枝(浅野ゆう子)、徹(鳥羽潤)、陽子(末永遥)は、啓造が運び込まれた病院へ駆けつけるが、かなり危険な状態だという。そんな夫の様子を知った夏枝はあまりのショックと過労で倒れてしまい...。

陽子は意識が戻らないまま眠り続ける啓造の手を握りしめ、一夜を明かす。そのころ啓造は深い意識の中で、海の中でもがく自分とすがりついてくる殺人犯の夢を見ていた。無我夢中で男の手を振り払うと、男の顔はなぜか陽子に。それを見た啓造が恐怖に襲われた瞬間、何者かの手が啓造を引き上げるかのように差し伸べられて...。

啓造の意識が戻った。不思議な夢を思い出していた啓造が、ふと自分の手を見ると夏枝がしっかりと握っている。自分を救い出してくれたのは夏枝だったのか。思わず礼を言う啓造だったが、夜を徹して手を握っていたのは陽子だということを知る夏枝は、喜びを感じながらも苦いものがこみ上げる。順調に回復する啓造だったが、いまだに行方がわからない殺人犯のことが気になって仕方がない。自分が助けを求めてすがりついてきた彼を振り払わなければ...。

夏枝の心配をよそに啓造は自らの罪から逃れられない。啓造が気にしていた殺人犯の男がついに発見された。幸い生きていることを知った啓造は、夏枝らの静止を振りきり自ら手術に立ち合わせて欲しいと願い出る。そんな啓造を陽子は千羽鶴を折りながら応援。徹も陽子を手伝うが、ひとり夏枝だけは居たたまれない思いに2人の前から去って行く。

無事に手術も終わり、夏枝は陽子を追い出すように家に帰すが、徹もいっしょについて行ってしまう。が、終電も行ってしまい、2人は旅館に一泊することに。医者になって徹と一緒に父の病院で働きたいという陽子に、「父を尊敬できない」と言い放った自分を思い出す徹。思わず陽子へ熱い想いを打ち明けてしまうが、陽子はそんな徹に「ずっとお兄ちゃんでいて欲しい」と辛い胸の内を告げる。

翌日、啓造と夏枝が帰宅すると、村井(吉田栄作)が辞表を手に現れた。突然のことに言葉を失う夏枝だったが、徹と陽子が旅館で一夜を明かしたことを知り陽子への怒りを新たにする。見舞いにやってきた高木(益岡徹)、辰子(戸田恵子)や家族を前に改めて生きている喜びを口にする啓造。が、村井の辞表の中にあった由香子(高木りな)に関する情報を見つけると、高木をそれとなく温泉に誘う。途中、村井が知らせてくれた眼科医を訪ねるが留守。仕方なく温泉につかり、マッサージを呼ぶが、そこへ視力を失いマッサージ師となった由香子が現れて...。

第9話「涙の遺言」  続きを読む | 閉じる

氷点2001

啓造(三浦友和)から離婚届を手渡された夏枝(浅野ゆう子)は、さすがにショックを隠せない。自分と夫の関係はこんなものだったのか...。

村井(吉田栄作)ががんに冒されていることを聞き、病院に駆けつけた辰子(戸田恵子)は夏枝に同情しつつ、啓造に怒りを覚える。その足で啓造に抗議に行った辰子は、陽子(末永遥)がルリ子を殺した犯人・佐石の娘であること、啓造が夏枝への復讐のために陽子を引き取ったことを初めて聞かされる。「これ以上、いっしょにいたら夏枝を苦しめるだけなんだよ」。決意の固い啓造に辰子の説得の言葉もむなしいだけだ。

病院からの帰り道、啓造は徹(鳥羽潤)と陽子に離婚の話を切り出す。啓造は陽子を引き取り北海道で暮らすつもりらしい。それが父としての責任の取り方なのか。納得した徹は夏枝と暮らしていくことを決意するが、陽子は納得できない。「だって、家族でしょ。なんで離れなきゃならないの。私はイヤ」。

私と離婚するということは、陽子を選んだということ。悲しみと怒りが込み上げる夏枝は、家を出ると辰子のもとへ。辛い気持ちを押し隠しながら、弁護士と離婚のこと、離婚後の病院のことについて打ち合わせを始める。

がんがかなり進行している村井だったが、手術をかたくなに拒否。そんな村井を助けて欲しい、と今ではすっかり恋人のようになった由香子が、不自由な目で村井の世話をしながら啓造らに頭を下げる。夏枝は村井を見舞い離婚を決意したことを告げるが、なぜか村井は今の啓造の気持ちがわかるという。「失いたくないから、離れるってこと、あるんですよ」。村井のそんな言葉に夏枝の心は揺れる。

その夜、夏枝はついに離婚届に自らの署名を。それを見ていた辰子は、陽子に真実を打ち明けられないのは夏枝がまだ陽子を母親として愛しているからだ、と指摘。離婚を考え直すよう説得する。「難しいことかもしれないけど、夏枝が陽子ちゃんを受け入れればすむことじゃないの?」。返す言葉もない夏枝に、辰子は一成(神山繁)の四十九日でもう一度話し合うよう勧める。

四十九日当日、ひとり一成の墓を参った夏枝は、一成が今際の際に遺した言葉を思い起こしていた。「許すってことがもっと簡単にできれば、人はもっと幸せになれるのに...」。そして意を決した夏枝は、啓造、徹、陽子らが待つ自宅へ。夏枝の帰宅を心待ちにしていた陽子は、自分の本当の両親が原因なら謝ると頭を下げながら夏枝に離婚を思いとどまるよう懇願する。そんな陽子の言葉に15年前のルリ子の死の記憶を蘇らせた夏枝は、ついに...。

第10話「お願い、死なないで」  続きを読む | 閉じる

氷点2001

「陽子ちゃん、あなたの父親が、私のルリ子を殺したのよ」。夏枝(浅野ゆう子)の告白にショックを受けた陽子(末永遥)は、遺書を残し北海道の美瑛川に身を投げてしまう。駆けつけた夏枝によって助け出された陽子だが、多量の睡眠薬を服用、危険な状態が続く。駆けつけた啓造(三浦友和)は変わり果てた陽子の姿に自らを責め、徹(鳥羽潤)は「母さんのせいだ」と厳しい目を向けるとどこかへと出ていってしまう。

高木(益岡徹)になぐさめられた徹は高木に陽子の本当の父親が知りたいと、陽子がいた乳児院について聞きだす。啓造もそんな徹に理解を示して...。

陽子に本当のことを知らせて、新たに母娘の絆を築こうとしたのに...。すべてが裏目に出てしまった夏枝は陽子との別れを決意。「私は、陽子の前に、居てはいけない人間です」。夏枝はすべてを啓造に託すことに。相変わらず眠り続けたままの陽子だが、啓造と夏枝は交代で陽子のそばに。そのころ徹は陽子がいた乳児院へ行き、陽子の本当の父親について調べ始めるが...。

陽子の意識が戻った。ほっと喜びを露にする啓造、夏枝らだが、精神的に深い傷を負った陽子は言葉を発するどころか、何一つ食べようとしない。それでも夏枝は陽子の前に姿を現すことなく、弁当や着替えを病院に運び続ける。そんな夏枝の行為を辰子は不憫に思うが、夏枝はかたくなに陽子とは会おうとはせず...。

陽子は退院、帰宅するまで回復するが、心の傷は癒えるようすは見えない。それでも夏枝は啓造の願いにも関わらず家に戻ろうとはしない。ひとり部屋で自分のアルバムを見続ける陽子に啓造はこれまでのことをわびるが、陽子は心を開こうとしない。

このままでは陽子は...。啓造は夏枝からの離婚届を受け取らず、ひたすら戻って欲しいと懇願する。が、そんな折り、辰子が陽子を養子にしたいと申し出る。驚く啓造と夏枝だが、辰子の思いやりに感謝しながら夏枝はきっぱり自らの気持ちを声に表す。「陽子がもう一度、私を受け入れてもいいって思ってくれる時まで待ってみたい」。しかし、陽子は辰子の養子になると言い出して...。そのころ徹は懸命に乳児院関係者の調査を続けるが...。

番組へのメッセージ

合計74件 最新の4件を表示

こえみ

三浦友和さんのファンです。
ぜひ、再放送お願いいたします。

2024/01/22(月)19:37

はる

氷点2001の再放送を是非お願いします。

2023/11/26(日)12:15

ちぇりなのともだち

「新しい「氷点」をやって欲しいです。
イメージでは主人公は土屋太鳳さんがいいなと思っています。」というコメントがありましたが,私もそう思います.浅野ゆう子の後なら,高岡早紀が良いでしょう.イメージぴったりです.

2023/10/26(木)05:47

ねこまた

陽子に広瀬すずちゃん、夏枝に檀れいさん、徹に鈴木涼真さん、村井に長瀬智也さん、辰子は友近さんでお願いします。

2023/01/31(火)15:02

BS11 新卒採用2025 「価値ある時間ヲ創造するシゴト」 BS11 じゅういっちゃん BS11公式SNS一覧 BS11 YouTube公式チャンネル BS11マガジン登録・解除 BS11 番組ガイド ダウンロード もっと身近にプロジェクト