「人に借りを作るべからず」の家訓のもとに生きてきたエリート青年・市ノ宮行は荒川の橋の上で、ズボンを子供たちに奪われてしまう。
その現場に出くわした自称・金星人の少女ニノが助力を申し出てもつっぱねる行だったが、ポケットの"宝物"と共に川へ落下してしまう。
危ないところをニノに助けてもらった彼は借りを返したい一心で、少女の「恋をさせてくれないか」という願いをつい受け入れてしまう。
彼女に導かれ河川敷の村長に会いに行くと、そこにいたのはどう見ても河童...の着ぐるみをまとう変人だった！

河童な村長の次は修道女姿の男・シスターが現れるなど、荒川河川敷はおかしな連中のたまり場だった。
ここで暮らすにはみな村長から新しい名を授かる決まりがあり、行は「リク」と命名される。
やがて彼を歓迎するパーティが催され、そこにはリクのズボンを奪った子供たちをはじめ、住人が勢揃い。
いずれも奇妙な風体の連中だったが、自給自足の生活を送るためそれぞれが仕事に励むなど、
リクは彼らの意外な一面を知ることになる。

鉄雄と鉄郎の兄弟、そしてＰ子はペットボトルロケットを飛ばそうとしたが失敗ばかり。
それを見かねて手助けをかって出たリクは、ひとり蚊帳の外ですねていたステラも仲間に加え、一緒にロケット打ち上げに再挑戦する。
その姿を見てニノは彼を「先生みたいだ」と賞賛するのだった。折しも季節は春。
何かを始めるには格好の時期にあって、自動車免許を取得しようと意気込むＰ子の姿にリクは思案顔。
そんな彼が、村長たちの用意した野点に招かれ...。

鉄人兄弟やステラ、そしてニノを生徒にして青空教室の先生を始めることにしたリク。彼は「宝物」の意味すら知らない生徒たちのため、社会科見学と称して住人たちそれぞれの宝を聞いて回ることにする。次いで行われた作文発表の授業では、ステラがビリーとジャクリーンの過去に触れたドキュメンタリーを披露。その内容は義理堅い元ヤクザであるビリーと、その親分の愛人だったジャクリーンの、現在に至るまでの壮絶な人生だった。