番組紹介
毎年8月16日に夜空を彩る「京都五山送り火」は、お盆の精霊を迎え、再び浄土へ送る伝統行事です。東山に大の字が浮かび上がり、続いて、松ケ崎に妙・法、西賀茂に船形、大北山に左大文字、そして、嵯峨に鳥居形が点火されます。火は、地元保存会の人々の手によって灯され、これら5つの送り火はすべて京都市登録無形民俗文化財に指定されています。







番組では、五山が東から順に点火されていく模様を、地上と山上、両視点のカメラからじっくりお見せするとともに、最後に点火する鳥居形近くで営まれている「広沢池 灯籠流し」の幻想的な様子もお届けします。
また、五山送り火には平和への祈りも込められています。昭和100年、戦後80年にあたる今年、京都五山送り火の歴史の中でも特に昭和の時代にスポットをあて、過去の映像も交えながら改めて平和についても考えます。
特別放送席
京都市左京区 聖護院門跡
普段は一般公開されていない「宸殿」の、貴重な襖絵の数々を背景に特別な時間をお届けします。
中継地点
如意ヶ嶽・山上(大文字)
万灯籠山・山上(妙)
広沢池 灯籠流し
ゲストには俳優の木村多江さん、解説にはテレビでもお馴染み、歴史学者で国際日本文化研究センター教授の磯田道史さんをお迎えし、地元の人たちの尽力・支えのもと脈々と受け継がれている伝統行事を、臨場感ある生中継の映像でお届けします。
※写真は例年のイメージです。
製作著作:KBS京都/BS11
出演者・スタッフ


(歴史学者 / 国際日本文化研究センター教授)

(KBS京都アナウンサー)
毎年拝見しています。今年も美しく丁寧に作られた番組でした。長い時間をかけ炎暑の中、準備に掛ける五山のそれぞれの守人の方々の「精霊を天に送る努めを果たす」と言う強い意志と優しさに溢れていました。大文字、妙法、船形、左大文字そして鳥居形。各々を間近に詳しく見られる画像と、引いた全体像の両方を見る事ができる醍醐味は別格でした。聖護院門跡の普段は拝する事の出来ない一室からの中継には驚かされました。ご門跡様の優しいお顔と「亡くなった方達は今私の両側にいますよ」という言葉が腑に落ちる感覚がありました。美しい木村多江さんの亡くなった身近な方々への想いと、学者の磯田道史氏の歴史に裏打ちされた安定感のあるお話に感激しながら、点火された五山の送り火を拝見していました。八月は六日、九日、十五日そしてお盆と、鎮魂の月です。この時期にこのような素晴らしい番組を拝する事に感謝致します。