2026/07/07 08:40
アニメ
NEW 強烈パワハラにいじめ…ひどい上司を社会的に葬り去る復讐マンガに反響、「最高にスカッと!」「痛快!」
『壊職代行』(シーモアコミックス)(C) もちづきひいろ/田田田田/シーモアコミックス
「ブラック企業やブラック上司、代わりに“壊”します」――そんな強烈なマンガ『壊職代行』に注目が集まっている。「スカっとする」「痛快」と話題の本作は、不動産営業会社で日々パワハラを受ける男が、絶望の淵で謎の女性と出会うところから始まる。現代人にとって無縁ではない闇を成敗する本作について、作者のもちづきひいろ氏に聞いた。
■驕れるパワハラ上司が一気に転落? “退職代行”モチーフにしたダークな復讐劇に反響
もちづきひいろ氏・田田田田氏による『壊職代行』は、コミックシーモアで配信中の青年マンガ。
不動産営業会社フマホームで働く鈴木は、パワハラや労働基準法違反が日常的に行われるブラック企業ぶりに耐え兼ね、退職を決意する。ところがその翌日からいじめ同然の扱いを受け身も心もボロボロに。社長の愛人である女性社員からは、「アンタにセクハラされたって騒いじゃおうかな?」とひどい言いがかりをつけられる始末。絶望する鈴木の前に現れたのは、静香という女性。「壊職代行」業者を名乗る彼女は、「ブラック企業やブラック上司、代わりに『壊』します」と宣言する。
静香たち「壊職代行人」は、フマホームと鈴木に嫌がらせをした人々を “壊”すべく動き出す。驕っていたパワハラ上司たちが一気に突き落とされる痛快な内容に魅了される読者が続出。
読者レビューを見てみると、「スッキリする物語です。仕事が頑張れそう」「自分の代わりに気持ちを晴らしてくれる」「現代社会の闇を切ってもらいたい」と社会のダークな部分に切り込む本作への反響が寄せられている。
■日常に溢れるSNS炎上、晒し…「社会的」に追い詰める復讐が身近に?
――話題になっている退職代行をモチーフに、架空の組織「壊職代行」という存在を作ろうと思ったのはなぜですか?
「本作を企画したのが、2023年の半ば。3年ほど前になります。復讐モノは、直接的暴力による復讐と、ターゲットを社会的に抹殺する復讐に大別されますが、当時、社会的復讐ジャンルの作品が伸びてきていました。個人的な見解ですが、暴力の復讐だとどうしても描写がエグくなってしまうので読者を限定してしまうことや、ネットやSNSが完全に生活の一部になっていて炎上や晒し、拡散などによって『社会的な死を迎える』という状況がリアルに感じられるといったところ、あと、暴力描写を露出しづらくなっているといったところから、社会的復讐がウケる土壌ができていたのだと思います」
――復讐モノを描く上でやはり復讐対象の役どころは重要だと思います。「壊職」される側の登場人物については、どんなことを意識されていいますか?
「構造的な部分で言うと、読者に『壊職代行のお仕置き、ちょっとやりすぎじゃね?なんかターゲットが可哀そう…』と思わせてしまったら失敗だと思います。そのため、ターゲットが被害者にえげつない加害をするのはもちろんのこと、復讐を執行されるときにも、自身の欲望や保身などから罠にはまるようにして、読者から同情の余地を一切なくさせるということを強く意識しています」
――そういう意図があったのですね。
「それができてないと、スカッとではなくモヤモヤを読者に感じさせることになってしまうので…実際のキャラクターの作り込みとしては、誰もが持っている隠したい感情や醜い感情を描き、ある種の共感を抱かせます。それゆえに、その感情を悪用するターゲットと読者の間に『自分と同じなんだけど違う』という線を引いてもらい、執行を楽しんでもらいます。また、『自分だったら、どういうやつに対峙したときに“やべえ”と思えるか』という観点からキャラクターを掘り下げていったりします」
――読者にリアリティを感じてもらうためということですね。
「本作を作るうえですごく意識しているのが、『説教をしない』、『私(作者)の思想をキャラに代弁させない』という2点です。そのためには、キャラクターを、都合のいい行動や言動をするお人形ではなく、その世界に息づく、深みのある存在にしないといけないと考えました。そうすれば、もし私が説教などで気持ちよくなりたいと思っても、キャラクターはそれを拒みますから(笑)」
■パワハラは他人事ではない? 世の誰もが抱える闇と悪役の分岐点
――作中にはパワハラをしてしまった人物のバックボーンが明らかになるシーンもあります。加害者側のリアリティを描くために意識されていることは?
「先述したことにも関係しますが、パワハラをした人間の境遇を知って同情する読者が出てしまって復讐の爽快さが薄れてしまうのではという懸念も正直ありました。しかし、精神の傷を抉る描写に説得力を持たせるにはバックボーンの説明が必要であること、また、世の誰もが多かれ少なかれ傷は抱えているわけで、その中でも優しい人もいれば、暴君になってしまう人もいる。本作の場合は、パワハラをした人物が『そんな弱くて卑怯な道を選んだ奴なんだ』ということを強調したかった。さらに、どんな背景や過去があれど、壊職代行はおかまいなしに現在進行形のブラックを『壊』すという徹底した姿勢を描きたかったという理由もあります」
――壊職代行人はパワハラに立ち向かう存在ですが、手段を選ばない恐ろしさもあります。ここにはどのような意図が?
「壊職代行人がやっていることは、読者や救われるキャラから見れば喝采モノだとしても、法的な観点で見ればれっきとした犯罪行為であり、悪と言って過言ではない。パワハラやブラック企業を、決して擁護をする気はないのですが、それでも様々な事情が絡み合って存在している。そんな複雑な世の中で、シンプルな勧善懲悪なんてそうそうあり得ない。壊職代行人も、信念は持っているけど当然葛藤もあり、悪を倒すために力を持った必要悪にならなければいけないという現実もあります」
■殺伐とした復讐劇にクスっと笑えるポイントも? 「小ネタを発見してもらえてうれしい」
――鈴木に「壊職代行」を紹介した火室静香のミステリアスな存在感も見どころかと思います。
「本作も面白いと思って読んでもらわないと意味がありません。また、単話売りという方式なので、次の回が気になって購入していただくという必要があります。そのため、ミステリアス(担当編集との間では『何者?感を出す』という合言葉でした)な雰囲気で、読者が存在を解き明かしたくなるように意識しました。あと、知的で美しい女性が、ときに狂気に満ちた表情をするのって印象に残るよねという、私の趣味もあったりします(笑)。芯の強い女性に見えるように描きたいという意図があり、危険な荒事に身をゆだねているので、信念を持っている強い女性に見えるようにデザインしました」
――悪となることも厭わない静香たちと主人公・鈴木に残された人間らしさの対比が今後の鍵にもなってきそうですね。
「鈴木は、ブラック企業時代も、壊職代行人見習いの現在も、正直あまり有能ではないですが、そんな凡人でも覚悟を決めて取り組めばいっぱしのことができるというのを体現してほしいと考えています。静香や鬼塚は超越しちゃっていますが、鈴木は読者に近い存在で一般人の感覚を忘れないように意識しています。ちなみに、実は鈴木が主人公というつもりはあんまりなくて、あくまで第一部の被害者、つまりゲストキャラクターという位置付けでしたが、思ったより愛着が湧いたのと、静香や鬼塚と違う価値観でバランスを取るキャラがいると深みが出るかなと思い、続投してもらいました(笑)」
――劇的な展開と印象深いキャラクターのドラマが魅力的ですが、読者の皆さんに今後どのようなところを楽しんでもらいたいですか?
「静香の過去や壊職代行の全貌なども、ストーリー中で徐々に明かされるようにしていくので楽しみにしていただければと思います。また、復讐モノではあるのですが、ただ刺激的なだけじゃなくて、クスっと笑えるところもあるという作品を目指しております。シリアスなんだけど可笑しい表情や顔芸、作中に散りばめた小ネタなども楽しんでいただければと。2話の伊集院のプロフィールで会社名が『USO800(嘘八百)』だったり、中宮の転職先が『フォンフロード(電話詐欺)』だったりといった小ネタを発見してレビューに書いてくれたのはすごくうれしかったです!」
もちづきひいろ氏・田田田田氏による『壊職代行』は、コミックシーモアで配信中の青年マンガ。
不動産営業会社フマホームで働く鈴木は、パワハラや労働基準法違反が日常的に行われるブラック企業ぶりに耐え兼ね、退職を決意する。ところがその翌日からいじめ同然の扱いを受け身も心もボロボロに。社長の愛人である女性社員からは、「アンタにセクハラされたって騒いじゃおうかな?」とひどい言いがかりをつけられる始末。絶望する鈴木の前に現れたのは、静香という女性。「壊職代行」業者を名乗る彼女は、「ブラック企業やブラック上司、代わりに『壊』します」と宣言する。
静香たち「壊職代行人」は、フマホームと鈴木に嫌がらせをした人々を “壊”すべく動き出す。驕っていたパワハラ上司たちが一気に突き落とされる痛快な内容に魅了される読者が続出。
読者レビューを見てみると、「スッキリする物語です。仕事が頑張れそう」「自分の代わりに気持ちを晴らしてくれる」「現代社会の闇を切ってもらいたい」と社会のダークな部分に切り込む本作への反響が寄せられている。
■日常に溢れるSNS炎上、晒し…「社会的」に追い詰める復讐が身近に?
――話題になっている退職代行をモチーフに、架空の組織「壊職代行」という存在を作ろうと思ったのはなぜですか?
「本作を企画したのが、2023年の半ば。3年ほど前になります。復讐モノは、直接的暴力による復讐と、ターゲットを社会的に抹殺する復讐に大別されますが、当時、社会的復讐ジャンルの作品が伸びてきていました。個人的な見解ですが、暴力の復讐だとどうしても描写がエグくなってしまうので読者を限定してしまうことや、ネットやSNSが完全に生活の一部になっていて炎上や晒し、拡散などによって『社会的な死を迎える』という状況がリアルに感じられるといったところ、あと、暴力描写を露出しづらくなっているといったところから、社会的復讐がウケる土壌ができていたのだと思います」
――復讐モノを描く上でやはり復讐対象の役どころは重要だと思います。「壊職」される側の登場人物については、どんなことを意識されていいますか?
「構造的な部分で言うと、読者に『壊職代行のお仕置き、ちょっとやりすぎじゃね?なんかターゲットが可哀そう…』と思わせてしまったら失敗だと思います。そのため、ターゲットが被害者にえげつない加害をするのはもちろんのこと、復讐を執行されるときにも、自身の欲望や保身などから罠にはまるようにして、読者から同情の余地を一切なくさせるということを強く意識しています」
――そういう意図があったのですね。
「それができてないと、スカッとではなくモヤモヤを読者に感じさせることになってしまうので…実際のキャラクターの作り込みとしては、誰もが持っている隠したい感情や醜い感情を描き、ある種の共感を抱かせます。それゆえに、その感情を悪用するターゲットと読者の間に『自分と同じなんだけど違う』という線を引いてもらい、執行を楽しんでもらいます。また、『自分だったら、どういうやつに対峙したときに“やべえ”と思えるか』という観点からキャラクターを掘り下げていったりします」
――読者にリアリティを感じてもらうためということですね。
「本作を作るうえですごく意識しているのが、『説教をしない』、『私(作者)の思想をキャラに代弁させない』という2点です。そのためには、キャラクターを、都合のいい行動や言動をするお人形ではなく、その世界に息づく、深みのある存在にしないといけないと考えました。そうすれば、もし私が説教などで気持ちよくなりたいと思っても、キャラクターはそれを拒みますから(笑)」
■パワハラは他人事ではない? 世の誰もが抱える闇と悪役の分岐点
――作中にはパワハラをしてしまった人物のバックボーンが明らかになるシーンもあります。加害者側のリアリティを描くために意識されていることは?
「先述したことにも関係しますが、パワハラをした人間の境遇を知って同情する読者が出てしまって復讐の爽快さが薄れてしまうのではという懸念も正直ありました。しかし、精神の傷を抉る描写に説得力を持たせるにはバックボーンの説明が必要であること、また、世の誰もが多かれ少なかれ傷は抱えているわけで、その中でも優しい人もいれば、暴君になってしまう人もいる。本作の場合は、パワハラをした人物が『そんな弱くて卑怯な道を選んだ奴なんだ』ということを強調したかった。さらに、どんな背景や過去があれど、壊職代行はおかまいなしに現在進行形のブラックを『壊』すという徹底した姿勢を描きたかったという理由もあります」
――壊職代行人はパワハラに立ち向かう存在ですが、手段を選ばない恐ろしさもあります。ここにはどのような意図が?
「壊職代行人がやっていることは、読者や救われるキャラから見れば喝采モノだとしても、法的な観点で見ればれっきとした犯罪行為であり、悪と言って過言ではない。パワハラやブラック企業を、決して擁護をする気はないのですが、それでも様々な事情が絡み合って存在している。そんな複雑な世の中で、シンプルな勧善懲悪なんてそうそうあり得ない。壊職代行人も、信念は持っているけど当然葛藤もあり、悪を倒すために力を持った必要悪にならなければいけないという現実もあります」
■殺伐とした復讐劇にクスっと笑えるポイントも? 「小ネタを発見してもらえてうれしい」
――鈴木に「壊職代行」を紹介した火室静香のミステリアスな存在感も見どころかと思います。
「本作も面白いと思って読んでもらわないと意味がありません。また、単話売りという方式なので、次の回が気になって購入していただくという必要があります。そのため、ミステリアス(担当編集との間では『何者?感を出す』という合言葉でした)な雰囲気で、読者が存在を解き明かしたくなるように意識しました。あと、知的で美しい女性が、ときに狂気に満ちた表情をするのって印象に残るよねという、私の趣味もあったりします(笑)。芯の強い女性に見えるように描きたいという意図があり、危険な荒事に身をゆだねているので、信念を持っている強い女性に見えるようにデザインしました」
――悪となることも厭わない静香たちと主人公・鈴木に残された人間らしさの対比が今後の鍵にもなってきそうですね。
「鈴木は、ブラック企業時代も、壊職代行人見習いの現在も、正直あまり有能ではないですが、そんな凡人でも覚悟を決めて取り組めばいっぱしのことができるというのを体現してほしいと考えています。静香や鬼塚は超越しちゃっていますが、鈴木は読者に近い存在で一般人の感覚を忘れないように意識しています。ちなみに、実は鈴木が主人公というつもりはあんまりなくて、あくまで第一部の被害者、つまりゲストキャラクターという位置付けでしたが、思ったより愛着が湧いたのと、静香や鬼塚と違う価値観でバランスを取るキャラがいると深みが出るかなと思い、続投してもらいました(笑)」
――劇的な展開と印象深いキャラクターのドラマが魅力的ですが、読者の皆さんに今後どのようなところを楽しんでもらいたいですか?
「静香の過去や壊職代行の全貌なども、ストーリー中で徐々に明かされるようにしていくので楽しみにしていただければと思います。また、復讐モノではあるのですが、ただ刺激的なだけじゃなくて、クスっと笑えるところもあるという作品を目指しております。シリアスなんだけど可笑しい表情や顔芸、作中に散りばめた小ネタなども楽しんでいただければと。2話の伊集院のプロフィールで会社名が『USO800(嘘八百)』だったり、中宮の転職先が『フォンフロード(電話詐欺)』だったりといった小ネタを発見してレビューに書いてくれたのはすごくうれしかったです!」











