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2026/09/05 13:00

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NEW 『新こち亀』両津勘吉役・落合福嗣、“初めて買った漫画”の主人公に「作品の中で呼吸ができる幸せ」 自分なりの“両さん”で挑む【インタビュー】

テレビアニメ『新こちら葛飾区亀有公園前派出所』両津勘吉役の落合福嗣(C)秋本治・アトリエびーだま/集英社・ADK

 人気漫画『こちら葛飾区亀有公園前派出所』の新アニメプロジェクト『新こちら葛飾区亀有公園前派出所』(新こち亀)の新たなメインキャストが発表された。オリコンニュースでは、主人公・両津勘吉を演じる落合福嗣にインタビュー。幼い頃から原作を読み、アニメを見て育った落合にとって、決定の知らせはプレッシャー以上に「作品の世界の中で呼吸ができる」という喜びをもたらした。長い歴史を持ち、人それぞれにイメージがある国民的キャラクターにどう向き合ったのか。幼少期の思い出から役作り、両津との意外な共通点、新たな『こち亀』に込めた思いまで聞いた。  本作の原作は、1976年から2016年まで『週刊少年ジャンプ』で約40年にわたって連載された。亀有公園前派出所に勤務する警察官・両津勘吉(りょうつ かんきち)が、東京の下町を舞台に、同僚や周囲の人物と騒動を繰り広げるギャグ漫画。連載終了後に発表された読切などを収録した、5年ぶりの新刊となる第202巻が9月4日、第203巻が10月2日に発売予定で、連載終了作品としては異例の2ヶ月連続刊行となる。

 テレビアニメ化のほか、香取慎吾主演でドラマ、実写映画化もされた。テレビアニメは1996年6月~2004年12月にレギュラー放送され、その後も2005年1月~2016年9月にかけて不定期で放送された。

■初めて買った漫画が『こち亀』

 両津役の決定を振り返って、最初に出てきた言葉はシンプルだった。「めちゃくちゃうれしかったです。小さい頃から読んでいたし、観ていた作品なので、その作品の世界の中で“呼吸ができる幸せ、喜び”というのを感じています」と笑顔を見せた。

 長年愛されてきたキャラクターを演じる重圧もありそうだが、「プレッシャーよりも喜びの方が勝っていました。良い緊張感はあるんですけど、悪い緊張はしなかったですね」と言い切った。

 それほど『こち亀』は幼い頃から身近にあった。小学校低学年の頃、初めて買ってもらった単行本が『こち亀』だったという。「4コマ漫画は読んでいたんですけど、右上から順に読んでいく漫画としては初めて触れて。初めて買ってもらった漫画の本っていうのが『こち亀』なんですよ。小学校1年生か2年生のときです」といい、「何巻か忘れちゃったんですけど、途中から(笑)。でも、途中から読んでも大丈夫なんですよ。それってすごいことですよね」と作品の魅力を語った。

 その後は単行本を買い集め、第1巻からも読むようになったため、最初の一冊がどんなエピソードだったのかは記憶が混ざってしまった。それでも、「初めての漫画本は『こち亀』」という事実は、今もはっきり覚えている。

■「100%を出すために150、160%」それでも“火力”は落とさない

 オーディションでは「自分だったらこういう両さんを演じてみたい。自分の中での両津勘吉はこうですけど、どうですか?」という思いを芝居でぶつけた。その両津が、新たな作品の主人公として選ばれた。

 実際に両津を演じる上で、一本の芯として持ち続けたのが「両さんは負けない」ということだった。「へこたれたり、やられたり、こてんぱんにはされているんですが、芯は折れてないんです」と説明。喜怒哀楽が激しく、時には弱々しくなることもある。それでも、両津は「心の中は芯があってメラメラ燃えている」。その炎だけは消さないことを意識した。

 「とにかくアクティブでポジティブなキャラクターだと思っているので、そこはしっかり前面に押し出していきながら、ポジティブとかアグレッシブさの振れ幅の中でも、しっかり緩急がつくようにしました」と明かした。

 その難しさを独特の“出力”で表現した。「両さんっていつも100%の出力なんです。その100%の出力を出すために、150、160%ぐらい出さないとダメなキャラクターだと僕は思っていて。でも、その全部が100%に聞こえているとダメなんです」と解説。高い出力を維持しながら、元気にも、落ち着いても、時には渋くも聞こえるようにする。「振れ幅」で緩急をつける芝居は「難しかったところではあるんですけど、楽しかったところでもあります」と振り返った。

 一方、オーディションに合格する手応えがあったのかと聞くと、即座に否定した。「手応えのあるオーディションなんて、今まで一度もないです」ときっぱり。続けて「僕が“会心の、満足いく芝居ができた”なんて感じたときは、もう引退するときなんじゃないかなと思っています」と語った。

 アフレコを終えても、「もっとこうできたかな」「もっとこうしてあげた方が近づいたかな」と考える。「個人的には、反省点がなくなったら僕はもうやめるとき」と語る言葉から、芝居へのストイックな姿勢がうかがえた。

■両津と似ているのは「多趣味」 娘きっかけでカードゲームにも夢中

 「もし本当に両さんがいたら、友達になりたいですか?」と問うと、答えに迷いはなかった。「なりたいです。めっちゃなりたい(笑)。ご飯に連れていってほしい。いろんなおいしい食べ物を知ってそうだなと思って。…巻き込まれたくはないですけどね(笑)」と想像をふくらませた

  “破天荒”な両津との現在の共通点を尋ねると、意外な答えが返ってきた。「僕の場合はどちらかというと広く“浅く”」「両さんは広く“深く”。“両さんすごいな”と思う」と違いを分析しつつ、「両さんはいろいろなものに興味を持って、趣味が多いんです」「すごく自分と重なります」と声を弾ませた。

 現在ハマっているものの1つが、カードゲームだ。きっかけは中学生の娘だった。娘がカードゲームを始め、「パパ一緒に対戦しようよ」と誘われたが、本人はルールも分からない。すると娘が余ったカードでデッキを組んでくれたという。

 ところが「ルールも全然分からないのでこてんぱんにやられて」と楽しそうに笑った落合。そこから自身も興味を持つようになった。このほかにも、ギターやロードバイク、音楽やゲームも好きで、プラモデルも作る。「そういう点では、すごい両さんと話が弾みそうです。両さん、なんでも詳しそうなので」と思いを巡らせた。

 役作りでも、その“好き”を大切にした。両津には、自分が詳しい分野について熱弁する長い説明ゼリフがある。「誰かに説明するセリフは、“本当に好き”という気持ちを前面に押し出す。そこに対して両さんなりの“好き”があふれているようなセリフ回しにしようというのは思いました」とアフレコを振り返った。好きなものには一直線。その熱量は、本人が両津を評した「ずっとメラメラ燃えてる」という言葉とも重なった。

■「発表になるまでは行けない」こち亀記念館は監督と訪問を約束

 『こち亀』との思い出は漫画だけではない。アニメも観て育ち、「『葛飾ラプソディー』はすごく大好き」と声を弾ませた。特に記憶に残っているのが、テレビ視聴時の注意を歌にした「テッテッテレビを見るときは~」というフレーズだという。「他のアニメを観るときも、その文字を見るだけで歌が脳裏によぎるんです。新しいバージョンでもいいし、続編だったらやりたいですよね、やりませんか?(笑)」とスタッフにリクエストする一幕もあった。

 一方、亀有に誕生した『こち亀記念館』には、取材時点でまだ足を運べていなかった。両津役がまだ公になっていなかったためだ。「発表になるまでは行けないなって。今は行きたい気持ちをぐっと我慢しています」としつつ、興味は尽きない。「発表になった後に行きたいですね。監督とも“発表になったら行こうよ”って話をしています」と笑顔を見せた。

■あふれる「こち亀愛」が詰まった現場から作品を届ける

 好きなキャラクターを尋ねると、やはり「両さんは別格」。白バイ隊員・本田速人についても、「普段あんなに弱々しい感じなのにリーゼントで、バイク乗ると人変わるんですよ。めっちゃかっこいいしかわいいじゃないですか」と楽しそうに語り、特殊刑事については「問答無用でおもしろい」と笑った。

 好きなエピソードには勝どき橋やおばけ煙突、特殊刑事の登場回などを挙げた。さまざまな『こち亀』の記憶をたどった末に語ったのは、作品が日常にもたらしてくれるものだった。「基本的に『こち亀』の漫画って、ちょっと嫌だなというときも、読むと“ああ、おもしろかった”でその日一日を終わることができる。それがすごくいいなと思う。アニメもそうです」と自身の経験を振り返った。

 新作の現場には、キャストやスタッフそれぞれが持つ「こち亀観」が詰まっていた。「僕も大好きだし、キャスト全員『こち亀』が大好きだし、スタッフも本当に『こち亀』大好きで、それぞれの“こち亀観”があるんですよ。価値観とか人生観とかの“観”。みんなの大好きな『こち亀』がたくさん詰まっているようなアフレコ現場だったので、そういうみんなの気持ちがちょっとでも伝わってくれればいいなと思います」と、作品への愛があふれる現場だったことを明かし。

 原作からでも、昔のアニメからでも、新作からでもいい。「いろんなところから『こち亀』に触れることができる」作品だからこそ、今回のアニメもまた、その入り口の一つになってほしいと願った。

 そして最後に語ったのは、『こち亀』とともに育った落合らしい、日常に寄り添う願いだった。「楽しいこともつらいことも必ず皆さんあって、1日を終えると思うんですけど、そのときに“『こち亀』おもしろかったな”と思ってもらえる作品に、1人でもなってもらえたらうれしいなと思います」と真摯なまなざしを見せていた。
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