×

一覧に戻る

オリコンニュース

エンタメ総合

2026/06/22 08:15

エンタメ総合

NEW 『風、薫る』医事考証担当が明かす舞台裏 “手術に手袋なし”に込めた時代背景

連続テレビ小説『風、薫る』の場面カット(C)NHK

 俳優の見上愛と上坂樹里がW主演を務めるNHK連続テレビ小説『風、薫る』(月~土 前8:00 NHK総合ほか)で、医事考証を担当する杏林大学医学部医学教育学特任教授・冨田泰彦氏が取材会に出席し、作品で描かれる明治期の医療描写の裏側を語った。  同作は、明治時代のトレインドナースをモチーフに、考え方も性格も異なる2人の看護婦が成長していく姿を描くバディドラマ。冨田氏は、2000年から医療監修や医事考証に携わり、漫画『JIN-仁-』や同作のドラマ版をはじめ、大河ドラマ『龍馬伝』、朝ドラ『らんまん』『虎に翼』『あんぱん』など数多くの作品を担当。これまで約60作品に関わってきたという。『風、薫る』については2025年4月頃から監修を続けており、「1年以上のお付き合い」と回想。脚本の初稿段階から確認し、「丸」「三角」「バツ」の3段階で医療描写をチェックしているという。

 特に視聴者の反響が大きかったのが、手術シーンの描写だった。医師がワイシャツにベスト姿のまま執刀し、マスクや手袋も着用していない演出について、冨田氏は「今の感覚だと違和感があるかもしれないが、当時はまだ細菌学が発展途上だった」と語る。当時は細菌学が発展途上で、感染対策の概念も現在ほど浸透していなかったという。手術用ゴム手袋が開発されたのは1889年(明治22年)頃のアメリカで、日本への普及はさらに先。マスク文化も1918年(大正7年)のスペイン風邪以降に広がったと説明した。

 さらに、劇中ではドイツ医学の影響も細部に反映。ドイツ留学帰りの医師が登場する設定に合わせ、手術シーンでは「メス」ではなく「メッサー」、「鉤」は「ハーケン」とドイツ語由来の名称を使用しているという。

 また、明治医療の再現には膨大な資料調査が必要だったという。東京大学医学部の歴史資料や当時の写真、医療機器カタログなどを参考にしながら、医師の服装や手術器具、消毒方法などを検証。「明治時代は数年単位で医療文化が変化しており、その変化を見つけ出すのが非常に難しかった」と振り返った。

 冨田氏は、医療監修のこだわりについて「作品にリアルさを加えることで、受け手が考えるきっかけになる」と語り、『JIN-仁-』を見て医師を志した学生がいたことを「一番うれしかった」と笑顔を見せる。『風、薫る』は「看護教育の始まりを描いている点」に魅力があると分析し、近代看護の礎を築いた女性たちの歩みに注目してほしいと呼びかけた。
BS11 番組一覧   BS11プラス  BS11 じゅういっちゃん じゅういっちゃんハンカチ BS11 公式SNS BS11 YouTube公式チャンネル BS11 プレゼント情報  京都の特等席
BS11 2027年新卒採用「価値ある時間ヲ創造するシゴト」 BS11 じゅういっちゃん BS11公式SNS一覧 BS11 YouTube公式チャンネル BS11マガジン登録・解除 BS11 番組ガイド ダウンロード