2026/09/18 04:00
エンタメ総合
NEW イチロー&長澤まさみ、20年ぶりCM共演 「ちょっと今軽くいじってるよね?」→「いじってないです!(笑)」【インタビュー掲載】
イチロー、長澤まさみ出演 JRA新CM「アスリート」篇CMカット
元メジャーリーガー・イチロー(52)と俳優の長澤まさみ(39)が、JRA日本中央競馬会の新CM「アスリート」篇で約20年ぶりにCM共演する。30秒、15秒の2種類を展開し、WEBでは18日から、テレビでは21日から全国で放送される。
新CMでは、元メジャーリーガーで現在もトレーニングを続けるイチローと競走馬の姿を重ね、心と身体を極限まで研ぎ澄ますアスリートとしての共通点を描く。長澤はアスリートへの敬意を込めた視線とナレーションで、スポーツとしての競馬の魅力を伝える。
CMは、厩舎に佇む競走馬とグラウンドへ向かうイチローの姿からスタート。ストレッチやダッシュなどのトレーニングに励むイチローと、調教に臨む競走馬を映し出し、肉体と精神を研ぎ澄ませていく両者の姿を対比させる。
長澤の「己と向き合う。心と身体を極限まで研ぎ澄ます。アスリートとサラブレッドは似ている。イチローさんはそういった」というナレーションとともに、競馬場の通路を歩く長澤が登場。ターフに到着するとイチローと目を合わせ、あいさつを交わす。
その後は、イチローと競走馬が静かに闘志を高める姿から一転、「打つ」「走る」「投げる」イチローと、ラストの直線で競り合う競走馬のレースシーンが重なっていく。JRA年間プロモーションCMソングの緑黄色社会「Mela!」が流れる中、「限界まで仕上げた肉体を、勝負の一瞬で解き放つ。それこそがプロのアスリートだ、と」と長澤が語る。
最後には、ターフビジョンで競走馬のレースを見るイチローが「そんな戦いに、ここで出会える」と言葉をつなぎ、長澤が表情で応える。2人の声で「競馬って、超スポーツ!」と締めくくる。
撮影は快晴の東京競馬場などで行われた。約20年ぶりのCM共演となった2人は笑顔であいさつを交わし、和やかな雰囲気で撮影を進行。ジャケット姿で臨んだ長澤は、気温の高い中でもクールな佇まいを見せた。
一方、都内のグラウンドで行われたイチローの撮影では、ストレッチ、ダッシュ、スローイング、バッティングに挑戦。現在もトレーニングを続けるイチローが、アスリートとしての躍動感を披露した。
CM撮影後のインタビューでは、2人が20年前の互いの印象や、相手の「プロフェッショナル」だと感じる点のほか、本番前のルーティンや最近した“勝負”について語っている。
新CM「アスリート」篇は30秒、15秒を展開。WEBでは18日から公開、テレビCMは21日から全国で放送開始となる。
■イチロー&長澤まさみインタビュー
――20年ぶりの共演はいかがでしたか?
【イチロー】20年ですからね。(当時)長澤さんが18歳、高校3年生?
【長澤】はい、そうですね。
【イチロー】僕はもういいおじさんでしたけど。32(歳)ですから。当時の長澤さんの印象は、「この人絶対愛想笑いしない人だ」って思ったんです。そういう意味では怖かった。(愛想笑いを)してくれないから。本当に笑わせないと笑ってくれないという感じで。でも今日、久しぶりで、覚えていていただいて、「あ、愛想笑いしてくれた」と思って、すごく嬉しかったです。
【長澤】大人になりました(笑)。すみません。ありがとうございます。
【イチロー】「愛想笑いじゃない」と言ってほしいけど、やっぱりそれは愛想笑いなんだなと(笑)。ちょっと今へこんでるところもありますけど(笑)。僕はやっぱり野球選手なので、「この人が対戦相手だったらどうだろう」とか、「この人が、自分だったらどうなんだろう」とかを考えるんですよ。(長澤さんが)相手だったら、読めないからとてもやりづらい。もし自分にこのメンタリティがあったら、もっとヒットを打てたかなとか、当時からそういうことを考えさせられる人でした。いやもうそれがねぇ、もうすっかり……
【長澤】愛想笑いができる(笑)
【イチロー】愛想笑いができるし、風格みたいなのがあるし。すごいよね、と思いました。
【長澤】いやいや(笑)。今回、久しぶりに共演させていただけるという話を聞いたときは光栄で、こんな機会をいただけるなんて、本当にすごく嬉しかったんですよね。当時、確かにイチローさんがおっしゃる通り、私は愛想笑いができませんでした。
【イチロー】やっぱりそうなんですか?
【長澤】できませんでした。嘘をついているような気持ちになるというか。無意識ですけど、やっぱり自分の中に何か正義があったんだと思います。子どもだったというのもありましたけれど。そんな風に捉えてくださっていたことも嬉しいです。あの時を思い返すといつも反省するんですよね。
【イチロー】えー!
【長澤】後から友達とかに、イチローさんにお会いしたことをうらやましがられて。でもその時の話をすると、「ちょっと……」って周りから注意される感じだったので(笑)。もっと上手に話ができるような良い大人になりたいなと思ったのがその当時の感想だったので、今こうしてお話も普通にできることも本当に嬉しいです。
【イチロー】なかなか普通に生活してたら、(活躍する場が)全然違うからもう一度は会わない。街でバッタリもないだろうし。だから、そういう(また会う)機会は生きている間はないかなと思ってたから、すごく嬉しいです。
【長澤】ありがとうございます。
――20年お互い第一線でご活躍されていますが、今日の共演で「さすがプロフェッショナルだ」と感じた場面はありましたか?もしくは「意外だった一面」など感じたことはありましたか?
【長澤】一緒に今日撮影してても、さっきイチローさんがおっしゃったように、すごく周りの人の特性というか人柄を見て、「自分がどうするのが今正しいかな」というのを考えてらっしゃるんだなというのが見えるようでした。そういうところが野球にも同じようにあると思ったら、スポーツと俳優業も似たようなところがあるんじゃないかなと思いました。
【イチロー】やっぱり観察されてるんだな(笑)。「こわっ」て今思いました(笑)。それはさすがです。短い時間だけど、相手のことを観察しないとできないものだろうから。自分ひとりの演技とはやっぱり違うから。やっぱり怖いのは変わってないなと今思いました(笑)。
【長澤】いやー!(笑)
【イチロー】でも、汗をかくのがお好きだっていうのはすごい意外でした、僕は。
【長澤】?
【イチロー】僕らはアスリートですから、暑い中でガンガン汗をかいてやるんだけど。長澤さんが汗をかいて気持ちいいというお話をさっきされていて、それはすごく意外でした。汗一滴もかきたくないのかと思ってた。
【長澤】舞台とかやると、結構衣装が重かったり、早着替えとかもあったりするんで、汗いっぱいかくと、「よし、頑張ってる!」みたいな気持ちになります(笑)。
【イチロー】同じ(アスリートの)業界ではそういう刺激がないから、あの話は僕すごい面白かったです。
【長澤】嬉しいです。
――CMでは、本番に向けて練習を重ねる様子が描かれていますが、大切な本番や勝負の日のルーティンや、心掛けていることはありますか?
【イチロー】僕は結局、大事な日、大事な試合とか、そこに合わせようとすると全く合わないから。つまり毎日同じことやってなかったら、それがやってこないという感じなんですよね。普段手抜きをして大事な日だけ結果残したいなんて、そんな都合のいいことないし、実際無理なんですよ。振り返ると、普通の日をずっと自分なりに継続していると、大事な日もなんか力が出せるという。僕は「ルーティンの鬼」みたいなところがあるから、キリがなくやっちゃうんだけど。
【長澤】ちなみにルーティンは何個あるんですか?
【イチロー】数え切れないです。すぐ見つけちゃうから。見つけちゃうとやらないと気が済まなくなって、やらなくて結果が出なくて、「あー、やっておけばよかった」をしたくない。だからそういう後悔をしたくないから、全部やっちゃうんですよ。
【長澤】それの管理は、アプリとか使うんですか?
【イチロー】使わない(笑)。僕もう本当にアナログ人間だから、もうここ(頭)だけです。書きもしないです。書くのも続かないし、出して見るのが面倒なんで、ここ(頭)に入れてるつもり。だからここ(頭)から抜けているものは、別に省いてもいいということなんだと思います。形にしてがんじがらめにするのは絶対にしたくないので。
【長澤】勉強になります(笑)。私もそれをこれからの準備にします。
【イチロー】いやいや、しんどいですよ(笑)。
【長澤】しんどいですけど、今最後におっしゃったように、「自分から抜けていくものは必要がないものだ」ということですよね。
【イチロー】そうですね。その時に必要がないと判断していれば、全然やらなくてもいいんで。
【長澤】やらなかったことに囚われるんじゃなくて、「必要がなくなったから離れていく」みたいに捉えられれば良いんですよね。
【イチロー】そうです。
【長澤】じゃあ、それにします!(笑)
【イチロー】それでいきましょう。
【長澤】はい。「鬼のルーティン」、最高ですね(笑)。
――最近、ご自身の中で、「勝負したな」と思うことは何でしたか?
【イチロー】僕はジャパンカップでこの2年勝負してます。あとは毎年1試合なんですけど、女子高校生と野球の試合をするんですね。それはもう、ガッチガチの真剣勝負です。今年も9月にあるんですけど、そのために日々準備してるみたいな。(相手は)高校生の選抜チームです。高校生のナショナルチームみたいな。めちゃくちゃうまいですよ。だんだん上手くなってきてるし、僕はその時ピッチャーやるんだけど、女子は本当は7イニングなんですけど、 9イニングやるんですね。僕がマウンドを絶対に降りたくないから、150球投げられる体力をつけないといけないんで。急にできないから、それもやっぱり日々やっておかなきゃいけないという。僕は、分析されて完全に丸裸にされてるから。この前も練習試合したら、コンコンコンコン打たれるんですよ。ホームランはさすがに女子は難しいですけど、普通にヒットをガンガン打たれるんですよ。どんどん追い込まれてる。それが勝負かな。
【長澤】すごい。
【イチロー】長澤さんは?
【長澤】イチローさんの隣で言うのが恥ずかしい……
【イチロー】恥ずかしいことをさらけ出しましょうよ(笑)。僕は、人生そのものが勝負みたいなところがあるんで、それ以上の勝負はないんですよ。だから18(歳)の、もっと言えば中学から高校に行く時に、将来を見据えた大きな決断をしたんで。
【長澤】その時から気持ちは変わってないんですか?
【イチロー】変わってないです。やるしかない状態に自分を追い込んでやってきたという感じなんですよ。
【長澤】なんか泣きそう。自分がダメだから(笑)。
【イチロー】追い込まれないとできないところもあるから、無理やり自分を追い込む。それはひとつのテクニックでもあると思うんですけど、そういうところはあります。だから、それほど大きな勝負という感覚もないんですよね。それが一番大きな勝負だったんで。
【長澤】その情熱を絶やさない秘訣は何ですか?
【イチロー】僕が好きで、自分の選択で選んできたものなんで、当然そこに責任があるし、それができなかったら僕の人生終わりだから。だから僕の生き方とか勧められないですよ。どちらかと言えば、僕はこうやってやってきたけど、子供たちに「真似しちゃダメだよ」という生き方なんですよね。(前回共演した)当時は、(長澤さんが)18歳で僕は32歳。あの20年前は(長澤さんに)「勝負」な感じがちょっとあったんですよ。
【長澤】私ですか?本当ですか?
【イチロー】ありました。その辺の相手としてやりづらいという気持ち悪さがあって。全部持って行っちゃうから、だけど今日は、2人がコンビみたいな、チームみたいな感じだったから。今日は今日ですごくインパクトがありましたね。今日は全然勝負の感じがないんで。すごくなんかまろやかで、優しくて。
【長澤】嬉しいです!でも…今日が勝負でした。
【イチロー】これ勝負だったんすか?(笑)
【長澤】(笑)。多分イチローさんがおっしゃったのは間違ってないし、その通りだと思います。当時はやっぱり若かったのもあって、イチローさんは私にとっては、本当に大人の男性という印象だったから、すごく緊張していたのもあったんですけど、でもちゃんと自分の意見はその時言えたっていう気持ちがあったから。ただ、俳優業を積み重ねていく中で、俳優はスタッフとキャストのチームワークというか、共同作業が大切な仕事なので、その場の空気感が誰でもスッと入れる柔らかい場所である、安心安全に自分のすべてをさらけ出す場所でなくちゃいけないというのがあると思うんです。なので、自分が圧を与えるような人間にならないようにというのが、俳優としては今目標にしてることなので、「まろやか」と言われてすごく(嬉しいです)。
【イチロー】それは、いくつくらいの時に変化があったんですか?
【長澤】30代に入ってだんだん。だけど、大好きな俳優だったり尊敬してる俳優さんたちはそういう空気を持っていて、どんな人間にも溶け込むようになりきれるという、そういう空気を作れる先輩たちを見てきているので、そうなりたいなと思っています。
【イチロー】僕もそうなりたいです!(笑)というのは、(僕は)割と緊張感を持たれるみたいで、それはあんまり好きじゃないんですよね。そんなつもりは僕にはないんだけど、周りがそう思ってるということは、それが答えだから。
【長澤】それはみんな、(イチローさんが)スーパースターすぎて(笑)、好きすぎて緊張してるんですよ!
【イチロー】ちょっと今軽くいじってるよね?
【長澤】いじってないです!(笑)
【イチロー】まったく!悪いところ変わってないよ!(笑)
CMは、厩舎に佇む競走馬とグラウンドへ向かうイチローの姿からスタート。ストレッチやダッシュなどのトレーニングに励むイチローと、調教に臨む競走馬を映し出し、肉体と精神を研ぎ澄ませていく両者の姿を対比させる。
長澤の「己と向き合う。心と身体を極限まで研ぎ澄ます。アスリートとサラブレッドは似ている。イチローさんはそういった」というナレーションとともに、競馬場の通路を歩く長澤が登場。ターフに到着するとイチローと目を合わせ、あいさつを交わす。
その後は、イチローと競走馬が静かに闘志を高める姿から一転、「打つ」「走る」「投げる」イチローと、ラストの直線で競り合う競走馬のレースシーンが重なっていく。JRA年間プロモーションCMソングの緑黄色社会「Mela!」が流れる中、「限界まで仕上げた肉体を、勝負の一瞬で解き放つ。それこそがプロのアスリートだ、と」と長澤が語る。
最後には、ターフビジョンで競走馬のレースを見るイチローが「そんな戦いに、ここで出会える」と言葉をつなぎ、長澤が表情で応える。2人の声で「競馬って、超スポーツ!」と締めくくる。
撮影は快晴の東京競馬場などで行われた。約20年ぶりのCM共演となった2人は笑顔であいさつを交わし、和やかな雰囲気で撮影を進行。ジャケット姿で臨んだ長澤は、気温の高い中でもクールな佇まいを見せた。
一方、都内のグラウンドで行われたイチローの撮影では、ストレッチ、ダッシュ、スローイング、バッティングに挑戦。現在もトレーニングを続けるイチローが、アスリートとしての躍動感を披露した。
CM撮影後のインタビューでは、2人が20年前の互いの印象や、相手の「プロフェッショナル」だと感じる点のほか、本番前のルーティンや最近した“勝負”について語っている。
新CM「アスリート」篇は30秒、15秒を展開。WEBでは18日から公開、テレビCMは21日から全国で放送開始となる。
■イチロー&長澤まさみインタビュー
――20年ぶりの共演はいかがでしたか?
【イチロー】20年ですからね。(当時)長澤さんが18歳、高校3年生?
【長澤】はい、そうですね。
【イチロー】僕はもういいおじさんでしたけど。32(歳)ですから。当時の長澤さんの印象は、「この人絶対愛想笑いしない人だ」って思ったんです。そういう意味では怖かった。(愛想笑いを)してくれないから。本当に笑わせないと笑ってくれないという感じで。でも今日、久しぶりで、覚えていていただいて、「あ、愛想笑いしてくれた」と思って、すごく嬉しかったです。
【長澤】大人になりました(笑)。すみません。ありがとうございます。
【イチロー】「愛想笑いじゃない」と言ってほしいけど、やっぱりそれは愛想笑いなんだなと(笑)。ちょっと今へこんでるところもありますけど(笑)。僕はやっぱり野球選手なので、「この人が対戦相手だったらどうだろう」とか、「この人が、自分だったらどうなんだろう」とかを考えるんですよ。(長澤さんが)相手だったら、読めないからとてもやりづらい。もし自分にこのメンタリティがあったら、もっとヒットを打てたかなとか、当時からそういうことを考えさせられる人でした。いやもうそれがねぇ、もうすっかり……
【長澤】愛想笑いができる(笑)
【イチロー】愛想笑いができるし、風格みたいなのがあるし。すごいよね、と思いました。
【長澤】いやいや(笑)。今回、久しぶりに共演させていただけるという話を聞いたときは光栄で、こんな機会をいただけるなんて、本当にすごく嬉しかったんですよね。当時、確かにイチローさんがおっしゃる通り、私は愛想笑いができませんでした。
【イチロー】やっぱりそうなんですか?
【長澤】できませんでした。嘘をついているような気持ちになるというか。無意識ですけど、やっぱり自分の中に何か正義があったんだと思います。子どもだったというのもありましたけれど。そんな風に捉えてくださっていたことも嬉しいです。あの時を思い返すといつも反省するんですよね。
【イチロー】えー!
【長澤】後から友達とかに、イチローさんにお会いしたことをうらやましがられて。でもその時の話をすると、「ちょっと……」って周りから注意される感じだったので(笑)。もっと上手に話ができるような良い大人になりたいなと思ったのがその当時の感想だったので、今こうしてお話も普通にできることも本当に嬉しいです。
【イチロー】なかなか普通に生活してたら、(活躍する場が)全然違うからもう一度は会わない。街でバッタリもないだろうし。だから、そういう(また会う)機会は生きている間はないかなと思ってたから、すごく嬉しいです。
【長澤】ありがとうございます。
――20年お互い第一線でご活躍されていますが、今日の共演で「さすがプロフェッショナルだ」と感じた場面はありましたか?もしくは「意外だった一面」など感じたことはありましたか?
【長澤】一緒に今日撮影してても、さっきイチローさんがおっしゃったように、すごく周りの人の特性というか人柄を見て、「自分がどうするのが今正しいかな」というのを考えてらっしゃるんだなというのが見えるようでした。そういうところが野球にも同じようにあると思ったら、スポーツと俳優業も似たようなところがあるんじゃないかなと思いました。
【イチロー】やっぱり観察されてるんだな(笑)。「こわっ」て今思いました(笑)。それはさすがです。短い時間だけど、相手のことを観察しないとできないものだろうから。自分ひとりの演技とはやっぱり違うから。やっぱり怖いのは変わってないなと今思いました(笑)。
【長澤】いやー!(笑)
【イチロー】でも、汗をかくのがお好きだっていうのはすごい意外でした、僕は。
【長澤】?
【イチロー】僕らはアスリートですから、暑い中でガンガン汗をかいてやるんだけど。長澤さんが汗をかいて気持ちいいというお話をさっきされていて、それはすごく意外でした。汗一滴もかきたくないのかと思ってた。
【長澤】舞台とかやると、結構衣装が重かったり、早着替えとかもあったりするんで、汗いっぱいかくと、「よし、頑張ってる!」みたいな気持ちになります(笑)。
【イチロー】同じ(アスリートの)業界ではそういう刺激がないから、あの話は僕すごい面白かったです。
【長澤】嬉しいです。
――CMでは、本番に向けて練習を重ねる様子が描かれていますが、大切な本番や勝負の日のルーティンや、心掛けていることはありますか?
【イチロー】僕は結局、大事な日、大事な試合とか、そこに合わせようとすると全く合わないから。つまり毎日同じことやってなかったら、それがやってこないという感じなんですよね。普段手抜きをして大事な日だけ結果残したいなんて、そんな都合のいいことないし、実際無理なんですよ。振り返ると、普通の日をずっと自分なりに継続していると、大事な日もなんか力が出せるという。僕は「ルーティンの鬼」みたいなところがあるから、キリがなくやっちゃうんだけど。
【長澤】ちなみにルーティンは何個あるんですか?
【イチロー】数え切れないです。すぐ見つけちゃうから。見つけちゃうとやらないと気が済まなくなって、やらなくて結果が出なくて、「あー、やっておけばよかった」をしたくない。だからそういう後悔をしたくないから、全部やっちゃうんですよ。
【長澤】それの管理は、アプリとか使うんですか?
【イチロー】使わない(笑)。僕もう本当にアナログ人間だから、もうここ(頭)だけです。書きもしないです。書くのも続かないし、出して見るのが面倒なんで、ここ(頭)に入れてるつもり。だからここ(頭)から抜けているものは、別に省いてもいいということなんだと思います。形にしてがんじがらめにするのは絶対にしたくないので。
【長澤】勉強になります(笑)。私もそれをこれからの準備にします。
【イチロー】いやいや、しんどいですよ(笑)。
【長澤】しんどいですけど、今最後におっしゃったように、「自分から抜けていくものは必要がないものだ」ということですよね。
【イチロー】そうですね。その時に必要がないと判断していれば、全然やらなくてもいいんで。
【長澤】やらなかったことに囚われるんじゃなくて、「必要がなくなったから離れていく」みたいに捉えられれば良いんですよね。
【イチロー】そうです。
【長澤】じゃあ、それにします!(笑)
【イチロー】それでいきましょう。
【長澤】はい。「鬼のルーティン」、最高ですね(笑)。
――最近、ご自身の中で、「勝負したな」と思うことは何でしたか?
【イチロー】僕はジャパンカップでこの2年勝負してます。あとは毎年1試合なんですけど、女子高校生と野球の試合をするんですね。それはもう、ガッチガチの真剣勝負です。今年も9月にあるんですけど、そのために日々準備してるみたいな。(相手は)高校生の選抜チームです。高校生のナショナルチームみたいな。めちゃくちゃうまいですよ。だんだん上手くなってきてるし、僕はその時ピッチャーやるんだけど、女子は本当は7イニングなんですけど、 9イニングやるんですね。僕がマウンドを絶対に降りたくないから、150球投げられる体力をつけないといけないんで。急にできないから、それもやっぱり日々やっておかなきゃいけないという。僕は、分析されて完全に丸裸にされてるから。この前も練習試合したら、コンコンコンコン打たれるんですよ。ホームランはさすがに女子は難しいですけど、普通にヒットをガンガン打たれるんですよ。どんどん追い込まれてる。それが勝負かな。
【長澤】すごい。
【イチロー】長澤さんは?
【長澤】イチローさんの隣で言うのが恥ずかしい……
【イチロー】恥ずかしいことをさらけ出しましょうよ(笑)。僕は、人生そのものが勝負みたいなところがあるんで、それ以上の勝負はないんですよ。だから18(歳)の、もっと言えば中学から高校に行く時に、将来を見据えた大きな決断をしたんで。
【長澤】その時から気持ちは変わってないんですか?
【イチロー】変わってないです。やるしかない状態に自分を追い込んでやってきたという感じなんですよ。
【長澤】なんか泣きそう。自分がダメだから(笑)。
【イチロー】追い込まれないとできないところもあるから、無理やり自分を追い込む。それはひとつのテクニックでもあると思うんですけど、そういうところはあります。だから、それほど大きな勝負という感覚もないんですよね。それが一番大きな勝負だったんで。
【長澤】その情熱を絶やさない秘訣は何ですか?
【イチロー】僕が好きで、自分の選択で選んできたものなんで、当然そこに責任があるし、それができなかったら僕の人生終わりだから。だから僕の生き方とか勧められないですよ。どちらかと言えば、僕はこうやってやってきたけど、子供たちに「真似しちゃダメだよ」という生き方なんですよね。(前回共演した)当時は、(長澤さんが)18歳で僕は32歳。あの20年前は(長澤さんに)「勝負」な感じがちょっとあったんですよ。
【長澤】私ですか?本当ですか?
【イチロー】ありました。その辺の相手としてやりづらいという気持ち悪さがあって。全部持って行っちゃうから、だけど今日は、2人がコンビみたいな、チームみたいな感じだったから。今日は今日ですごくインパクトがありましたね。今日は全然勝負の感じがないんで。すごくなんかまろやかで、優しくて。
【長澤】嬉しいです!でも…今日が勝負でした。
【イチロー】これ勝負だったんすか?(笑)
【長澤】(笑)。多分イチローさんがおっしゃったのは間違ってないし、その通りだと思います。当時はやっぱり若かったのもあって、イチローさんは私にとっては、本当に大人の男性という印象だったから、すごく緊張していたのもあったんですけど、でもちゃんと自分の意見はその時言えたっていう気持ちがあったから。ただ、俳優業を積み重ねていく中で、俳優はスタッフとキャストのチームワークというか、共同作業が大切な仕事なので、その場の空気感が誰でもスッと入れる柔らかい場所である、安心安全に自分のすべてをさらけ出す場所でなくちゃいけないというのがあると思うんです。なので、自分が圧を与えるような人間にならないようにというのが、俳優としては今目標にしてることなので、「まろやか」と言われてすごく(嬉しいです)。
【イチロー】それは、いくつくらいの時に変化があったんですか?
【長澤】30代に入ってだんだん。だけど、大好きな俳優だったり尊敬してる俳優さんたちはそういう空気を持っていて、どんな人間にも溶け込むようになりきれるという、そういう空気を作れる先輩たちを見てきているので、そうなりたいなと思っています。
【イチロー】僕もそうなりたいです!(笑)というのは、(僕は)割と緊張感を持たれるみたいで、それはあんまり好きじゃないんですよね。そんなつもりは僕にはないんだけど、周りがそう思ってるということは、それが答えだから。
【長澤】それはみんな、(イチローさんが)スーパースターすぎて(笑)、好きすぎて緊張してるんですよ!
【イチロー】ちょっと今軽くいじってるよね?
【長澤】いじってないです!(笑)
【イチロー】まったく!悪いところ変わってないよ!(笑)











